Quantcast
Channel: TAMIの気まぐれ通信
Viewing all articles
Browse latest Browse all 873

ハネナガウンカ科について

$
0
0
ハネナガウンカの仲間は、変わった形をしているものが多く、被写体としても優れていると思うが、種数と個体数があまり多くないこともあって撮影の機会が少ない。
普通種のアカハネナガウンカを除くと、コンスタントに見つけることが難しいものが多い。

九州大学で1989年に出版した「日本産昆虫総目録」で見ると、日本産として2亜科15種があげられている。

今までに撮影したことのあるのは4種だけだが、そのうち2種は総目録には記載されていない。

以下総目録のリストと分布。

日本産昆虫総目録(九州大学1989)

ハネナガウンカ科:Derbridae
ハネナガウンカ亜科:Zoraidinae
アカハネナガウンカDiostrombus  politus  Uhler,1896本州・四国・九州・屋久島・沖縄本島・石垣島・朝鮮半島・台湾・中国
アヤヘリハネナガウンカNomuraida  hibarensis  Matsumura,1935本州・四国・九州・シベリア
マダラハネナガウンカPamendanga  matsumurae  (Muir,1918)日本・シベリア・朝鮮半島・台湾・インド
シラキハネナガウンカShirakia  infumata  Matsumura,1914西表島・台湾
シリアカハネナガウンカZoraida  horishana  Matsumura,1914本州・九州・朝鮮半島・台湾
クワヤマハネナガウンカZoraida  kuwayamae  (Matsumura,1913)北海道・本州
マエグロハネナガウンカZoraida  pterophoroides  (Westwood,1851)本州・九州・台湾・東南アジア

ハネビロウンカ亜科:Derbrinae
アカフハネナガウンカEpotiocerus  flexuosus  (Uhler,1896)日本・千島列島
サトウマダラハネナガウンカKamendaka  Saccharivora  Matsumura,1910九州・屋久島・石垣島・台湾
タマガワセダカハネナガウンカLamenia  tamagawana  Matsumura,1914本州
クロフハネナガウンカMysidioides  sapporensis  (Matsumura,1900)日本・千島列島・樺太・台湾
ウスベリハネビロウンカRhotana  kagoshimana  Matsumura,1914本州・四国・九州
キスジハネビロウンカRhotana  satsumana  Matsumura,1914本州・四国・九州
オガサワラハネビロウンカTempora  boninensis  Matsumura,1914小笠原諸島
アカメガシワハネビロウンカVekunta  malloti  Matsumura,1914本州・四国・九州・琉球列島・台湾・中国

このうちハネナガウンカ亜科の種類は、前翅が非常に長く、ほぼ長方形をしていて、静止した時に翅を立てて止まる。

イメージ 1

イメージ 2
アカハネナガウンカ、ハネナガウンカ科の中では最も普通に見られる種類で、ススキの葉に止まっているのを見付けることが多い。

アカハネナガウンカ Diostrombus  politus  Uhler,1896

国内分布:本州・四国・九州・屋久島・沖縄本島・石垣島
国外分布:朝鮮半島・台湾・中国
撮影場所:2014年9月17日、福島県いわき市

ハネナガウンカ亜科の中では、前翅の形が比較的丸みを帯びているが、前端部分は微妙に裁断されたような形をしている。

イメージ 3
ウスマエグロハネナガウンカ、この種類は総目録には記載されていない。
比較的少ない種類だと思われるが、このあと、村山貯水池付近で、比較的まとまった数を見たことがある。

ウスマエグロハネナガウンカ Zoraida  albicans  Anufriev,1968
国内分布:北海道・本州・四国?・九州?
撮影場所:2014年7月17日、福島県いわき市

以下に紹介する2種は、ハネビロウンカ亜科に属する。
今までには、撮影出来た2種以外は見つけたことがないので、個体数が少ない種類が多いのかも知れない。

前翅は先端に向かって広がった、へら状の形をしていて、通常のウンカ類のように翅をたたんで静止する。

普通のウンカ類よりは翅が長い。

イメージ 4
シロタエハネナガウンカ、林床の落葉に止まっていたもの。
関東から東北にかけて、少数記録されているのみのようで、生態なども良く判っていないらしい。

シロタエハネナガウンカ Pepleuca  candida  (Anufriev,1968)
国内分布:本州(関東以北?)
撮影場所:2014年9月27日、福島県石川郡古殿町

この種類も総目録には記載されていない。

イメージ 5
クロフハネナガウンカ、今年、鳴沢村で撮影したもの。
林縁の灌木の葉上に静止していた。

クロフハネナガウンカ Mysidioides  sapporensis  (Matsumura,1900)
国内分布:日本
国外分布:千島列島・樺太・台湾
撮影場所:2016年7月8日、山梨県南都留郡鳴沢村

Viewing all articles
Browse latest Browse all 873

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>