8月12日に、緑区四季の森公園で撮影した昆虫類です。
ニイニイゼミ、北門入口にある、ケヤキの名板に止まっていた個体を撮影。
ヒグラシ、駐車場近くにある売店付近で撮影。
アブラゼミの交尾個体、帰りぎわに北門を出たところの、舗道上に止まっていたもの。
池のまわりで見つけた、カイガラムシの仲間。
アオバハゴロモ、池のまわりに多く見られた。
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エサキモンキツノカメムシ、園内で最も個体数の多いツノカメムシ。
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アカサシガメ幼虫、湿地脇の遊歩道は、昆虫類が良く見つかる場所で、この小さな幼虫もここで見つけた。
ヨコヅナサシガメの幼虫、かなり大きなクヌギの幹に、若齢幼虫の小さな集団が見つかった。
炭焼き小屋のある谷戸の入口付近で見つけたホシハラビロヘリカメムシ。
アカスジキンカメムシの若齢幼虫。
ウスグモスズ、東京産の標本によって、新属新種として記載されたものだが、帰化種であろうと推測されている。
アオマツムシの幼虫。
ヤブキリ、ヨシ原沿いの遊歩道脇で撮影。
ヤマトフキバッタ、ヨシ原脇の、イネ科の植物に止まっていたもの。
マメコガネ、園内各所の草地に普通に見られるが、この日はピクニック広場で多く見られた。
ヨツスジトラカミキリ、池沿いの木道に飛来した個体。
クロウリハムシ、どこでも見られる普通種だが、特にカラスウリの仲間を好んで食害する。
アトボシハムシ、これも普通種だが、クロウリハムシよりは環境を選ぶように感じる。
キシタホソバ?、よく見かける種類だが、よく似た種類が多く同定が困難なグループだ。
カノコガ、北門近くの池の東側で何頭か見つけた。
クロクモエダシャク、大型のエダシャクで、灯火に良く飛来する。
スキバツリアブ、ヨシ原奥の木道付近で撮影。
時期はやや遅めで、他に2-3頭見かけたが、いずれも動きが鈍くなっていた。
セミ科
ニイニイゼミ Platypleura kaempferi (Fabricius,1794)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・屋久島・種子島・奄美大島・徳之島・沖縄本島
国外分布:朝鮮半島・中国・台湾
今年撮影できたのはこの個体だけ。
ヒグラシ Tanna japonensis Distant,1892
国内分布:北海道・本州・四国・九州・奄美大島・沖縄本島(沖縄の分布は疑問とされている)
国外分布:朝鮮半島・中国
アブラゼミの交尾個体は、今までに2-3度見かけているが、他の種類は何故か見つけられていない。
アブラゼミ Graptopsaltria nigrofuscata (Motschulsky,1866)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・屋久島
国外分布:朝鮮半島・中国
アリが寄って来ていたので撮影した。
小さな集団だが、何枚か撮影。
アオバハゴロモ科
アオバハゴロモ Geisha distinctissima (Walker,1858)
国内分布:本州・四国・九州・奄美大島・琉球列島
国外分布:朝鮮半島・中国・台湾
下の交尾個体は、谷戸の奥の湿地脇で撮影。
セアカツノカメムシ、これも湿地沿いの遊歩道脇で見つけた。
エサキモンキツノカメムシに次いで、個体数の多い種類。
平地から山地帯にまで見られる。
ツノカメムシ科
セアカツノカメムシ Acanthosoma denticauda Jakovlev,1880
国内分布:北海道・本州・四国・九州
国外分布:東シベリア・朝鮮半島・中国
ツノカメムシ類は成虫で越冬するものが多く、秋期に多くの個体が見られることがある。
同じ植物にもう1頭、やや大型の幼虫がいたが、そちらは撮影できずに逃げられてしまった。
秋にかけて良く見られ、幼虫で越冬する。
花菖蒲園付近の、コナラやケヤキの幹で良く見つかる。
クズを好むようで、群落があるとたいてい見つけられる。
ヘリカメムシ科
ホシハラビロヘリカメムシ Homoeocerus unipunctatus (Thunberg,1783)
国内分布:本州・四国・九州・沖縄本島
成虫・幼虫共にクズを好む。
2齢以降は白と黒の2色になるが、初齢だけは金属光沢のある緑色をしている。
時に数頭の幼虫が固まっていることもある。
キンカメムシ科
アカスジキンカメムシ Poecilocoris lewisi Distant,1883
国内分布:本州・四国・九州
国外分布:中国・台湾
公園や住宅地内の植込みなどで見られ、自然度の高い緑地ではほとんど見られない。
原産地は判明していないようだ。
池のへりのイネ科の植物に止まっていた個体。
この時期成虫も見られるが、成長には多少のばらつきがあるようだ。
この種類も帰化種とされていて、公園など人手の入った環境に多く見られ、サクラなどを好む。
夜になると、公園全体から鳴き声が聞こえることも多い。
アオマツムシ Truljalia hibinonis (Matsumura,1919)
国内分布:本州・四国・九州
公園や市街地を中心に分布し、近年の気温の上昇によって、北上する傾向が見られる。
東北地方などでも、場所によっては個体数は多い。
日本での記録は1898年と、1908年頃という2説があり、記録された場所は東京赤坂の榎木坂であるという。
大型のキリギリス類で、雌の産卵管が湾曲しないで、直線的なのが特徴。
キリギリス科
ヤブキリ Tettigonia orientalis Uvarov,1924
沖縄・南西諸島を除く日本全土に分布。
北海道の分布は、人為的なものであろうと推測されている。
分類的には、未解明の部分もあるらしい。
平地から山地まで見られるが、地域的な差異も見られ、肢の色彩なども緑色から黄褐色が普通だが、かなり黒化するものが多く出現する地域もある。
短翅型のフキバッタでは、比較的翅が長い。
幼虫はときどき見かけられたが、やっと成虫を撮影することが出来た。
バッタ科
ヤマトフキバッタ Parapodisma setouchiensis Inoue,1979
翅が縮小する傾向の強いフキバッタの仲間では、翅が長めの種類。
日本に広く分布するが、分類については、まだ問題を抱えた種類のようだ。
横浜で見られる本種に、この種名を当てるのも確定的ではないのかも知れない。
海外では、栽培種の豆類の害虫とされているが、日本では、栽培種にはほとんど付いていない。
成虫はマメ科に限らず、様々な草本を食害する。
コガネムシ科
マメコガネ Popillia japonica Newmann,1844
国内分布:北海道・本州・四国・九州・舳倉島・冠島・対馬・屋久島
県内では各地で普通に見られる。
比較的暖地性の種類だと思われ、内陸部ではあまり見ることがない。
カミキリムシ科
ヨツスジトラカミキリ Chlorophorus quinquefasciatus (Castelnau et Gory,1841)
国内分布:本州・四国・九州・冠島・隠岐・対馬・壱岐・淡路島・五島列島・種子島・屋久島・口永良部島・トカラ口之島・奄美大島・沖縄本島・宮古島・石垣島・西表島・与那国島
国外分布:朝鮮半島・済州島
5頭付いていたので、撮影してみた。
ハムシ科
クロウリハムシ Aulacophora nigripennis Motschulsky,1857
国内分布:本州・四国・九州・冠島・利島・琉球
アマチャヅルやカラスウリが食草に上げられているが、カラスウリを食しているのは見たことがない。
雌雄で色彩が異なり、♂は黒い紋を欠く。
アトボシハムシ Paridea angulicollis (Motschulsky,1853)
国内分布:北海道・本州・四国・九州
国外分布:朝鮮半島・中国東部・台湾
一応この種名を当てておくが確定的ではない。
ヒトリガ科
キシタホソバ Eilema aegrota (Butler,1877)
国内分布:北海道・本州・九州・対馬・屋久島
食草:地衣類
成虫出現期:5月-9月
これも普通種だが、生態的には解明されていない部分も多いようだ。
食草もキク科のタンポポ類とされているが、枯葉を食している可能性もあるという。
カノコガ Amata fortunei fortunei (Orza,1869)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬
国外分布:朝鮮半島・中国
食草:タンポポ(枯葉の可能性あり)
成虫出現期:6月・8月
ピクニック広場入口のトイレの壁に止まっていたもの。
シャクガ科
クロクモエダシャク Apocleora rimosa (Butler,1878)
国内分布:本州・四国・九州・対馬・屋久島・奄美大島
食草:ヒノキ
成虫出現期:5月-9月
普通種で、園内各所で見かけたが、わりと敏捷で、撮影には苦労させられた。
次回は8月18日の、富士山周辺の昆虫を紹介します。