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三ツ池公園5月2日

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撮影してから1ヶ月以上たっていますが、5月2日に横浜市鶴見区三ツ池公園で撮影した、昆虫類を紹介します。

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コメツキムシ科

サビキコリ Agrypnus  binodulus  binodulus  (Motschulsky,1861)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・渡島大島・粟島・佐渡・壱岐・隠岐・対馬・伊豆諸島・五島列島・上甑島・下甑島・種子島・屋久島・口永良部島・与那国島

丘の上の広場付近で、地上を歩いていたもの。
葉上や草の根際など、様々な場所で見つけられる。

この個体はやや擦れたものだが、新鮮な個体は褐色の鱗片状の毛で覆われる。

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カミキリムシ科

キクスイカミキリ Phytoecia  rufiventris  Gautier,1870
国内分布:北海道・本州・四国・九州・飛島・粟島・佐渡・隠岐・対馬・壱岐・伊豆大島・淡路島・小豆島・種子島・屋久島
国外分布:台湾・東アジア

歩道脇のヨモギの葉上にいたもの。
キク科の植物の害虫として著名。

単独でいる場合は、意外と敏感で、撮影前に逃げられることも多い。
産卵後のしおれた植物はよく目立つが、成虫はそれほどは目に付かない。

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ハムシ科

ニホンケブカサルハムシ Lypesthes  japonicus  Ohno,1958
国内分布:本州・対馬

食草はノブドウとされるが、この個体はツツジの葉に止まっていたもので、単食性ではないかも知れない。
グラウンド近くの歩道脇の植込みで見つけた。

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ゾウムシ科

スグリゾウムシ Pseudocneorhinus  bifasciatus  Roelofs,1879
国内分布:北海道・本州・四国・九州・佐渡・伊豆大島・八丈島
国外分布:中国・北アメリカ

民家や公園などの植え込みで普通に見つけられる。
ゾウムシの仲間だが、頭部はあまり長く伸びない短吻群の仲間。
様々な植物で見つかるので、食性はかなり広いようだ。

国外分布にアメリカが上げられているが、中国か日本からの移入と思われる。

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ヒトリガ科

キハラゴマダラヒトリ Spilosoma  lubricipedum  sangaicum  Walker,1865
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬・屋久島
食草:クワ・バラ科・サクラ・アブラナ科・マメ科
成虫出現期:4月・6月-9月

これもグラウンド近くの道脇で、葉裏に止まっているのを見つけたもの。
都市部でも見られるヒトリガ科の種類だ。

よく似た種類にアカハラゴマダラヒトリがいる。

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シャクガ科

ハスオビエダシャク原亜種 Descoreba  simplex  simplex  Butler,1878
国内分布:本州・四国・九州・対馬・屋久島
国外分布:シベリア
食草:カバノキ科・ブナ科・ヤマグルマ科・バラ科・トチノキ科・ツバキ科・ミズキ科
成虫出現期:4月

園内のサクラの幹から生えている細枝の、柔らかい葉に多い。
新宿御苑などでも、サクラで見つけているので、食性は広いようだが、平地ではサクラを好むのかも知れない。
2cm.ほどの小さいもので、まだ若齢と思われる。

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シャクガ科

チャバネフユエダシャク Erannis  golda  Djakonov,1929
国内分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄本島
国外分布:シベリア
食草:ポプラ・ヤマナラシ・ドロノキ・バッコウヤナギ・サワシバ・イヌシデ・ツノハシバミ・シラカンバ・ウダイカンバ・ヨグソミネバリ・ミズメ・ケヤマハンノキ・ブナ・イヌブナ・クリ・コナラ・ミズナラ・クヌギ・アベマキ・カシワ・シラカシ・アラカシ・ハルニレ・オヒョウ・ケヤキ・マンサク・ズミ・リンゴ・ナナカマド・カマツカ・ノイバラ・サクラ・エゾヤマザクラ・ウメ・ホザキカエデ・ウリハダカエデ・イタヤカエデ・アワブキ・オオバボダイジュ・レンゲツツジ・ミツバツツジ・クロウスコ
成虫出現期:11月-1月

緑区の四季の森公園では、灯火に集まった成虫をよく見かけるが、三ツ池公園ではまだ成虫を見ていない。
これもサクラの葉にいたもの。
食性はかなり広いようだ。

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シャクガ科

シモフリトゲエダシャク Phigalia  sinuosaria  Leech,1897
国内分布:北海道・本州・四国・九州・佐渡
国外分布:シベリア
食草:キツネヤナギ・ポプラ・コナラ・クヌギ・カシ類・ソメイヨシノ・リンゴ・ナシ・ノダフジ・カシワ
成虫出現期:12月-3月

フユシャクの仲間ではもっとも大型の種類の一つ。
この幼虫もかなり大型で、おそらく終齢近くで、5cm.前後はあったように思う。

撮影した時は、同じ位のサイズのヨモギエダシャクの幼虫だと思っていた。
ビジターセンター脇の植込みにいたもの。

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ハナアブ科

スイセンハナアブ Merodon  equestris  (Fabricius,1794)
国内分布:北海道・本州
国外分布:ヨーロッパ

春期に見られる、比較的大型のハナアブ。
体色に変化が多く、時に別種のように見えることがある。

本来ヨーロッパに分布するもののようで、日本産は移入種とされている。
スイセン以外にも、ヒガンバナやダリアなど、地下に球根やイモを作る植物を食害する。
園芸などでは害虫とされることが多い。

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ツチカメムシ科

コツチカメムシ Macroscytus  fraterculus  Horv?th,1919
国内分布:北海道・本州・四国・九州

ずっとツチカメムシと思っていたが、同属のコツチカメムシのようだ。
ほぼ同じサイズで、前胸の点刻の状態で見分ける。
あらためて今までに撮影した写真を見たところ、すべて本種のようなので、ツチカメムシよりも多いのかも知れない。

次回は5月5日の、戸塚区の舞岡公園の昆虫類を紹介する予定です。
今のところ、仕事の都合で、週末しか時間が取れないので、タイムラグが大きくなっていますが、順番に紹介したいと思っています。

インドネシアのビザの取扱変更

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ウブドの旅行会社、apaのホームページに、6月12日付で、空港でのビザの取得について、インドネシア当局から手続きの変更についての発表があったとの記事が載っていた。

今までは、滞在期間の長さに関係なく、一律35米$が徴収されていたが、30日未満の滞在については無料となったようだ。
ビザは30日で延長不可。
30日以上の滞在については、今まで通り35米$を支払う。
これは1回のみ30日間の延長が出来る。

長期と短期の旅行者について、2本立てのビザの発給になるが、無料のビザを取得して、30日以内に一度出国して、再入国するという方法もとれるようになった。
延長手続きは、旅行者自身がイミグレーションへ行く場合は、若干割安になるが、ディーラーを通すと85万ルピア(約75-80$ほど)かかるので、どちらが割安なのかは、エアーアジアなどの格安航空券を使用した場合には、ちょっと微妙な金額になる。

ビザについては改正前に、様々な噂が流れていたが、もっとも有力そうだったのは、無料で2-3週間で延長不可というものだった。

今回の発表では、比較的長期の旅行者にも配慮した形とはなっているようなので、比較的、順当なところで落ち着いたのかと思っている。

舞岡公園5月5日

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5月5日に舞岡公園で撮影した昆虫類を、2回に分けて紹介します。

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林床の葉上で交尾していた個体。
横浜では5-6月頃に見られる。

ジョウカイボン科
 
ヒガシマルムネジョウカイ Prothemus  reini  (Kiesenwetter,1874)
国内分布:本州

以前は、西日本に分布するマルムネジョウカイと同種とされていたが、1992年に東日本に分布する個体群が、別種として分離された。
分布の境界などは、まだ不明瞭。

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テントウムシ科の代表選手、ナナホシテントウ。
リンネによって記載された種類で、テントウムシ科の元になった属の模式種。
様々な環境の草地に、普通に見られるが、特に河川敷などでは個体数が多い。

普通種ではあるが、林地環境ではあまり見られない。
関東の平地では、河川敷などの気温の高い場所では、厳冬期でも活動中の個体が見られる。

テントウムシ科

ナナホシテントウ Coccinella  septempunctata  Linnaeus,1758
国内分布:北海道
本州・四国・九州・舳倉島・小笠原諸島・トカラ列島・奄美大島・沖縄本島・宮古島・石垣島・西表島
国外分布:シベリア・千島列島・ユーラシア大陸・台湾・アフリカ北部

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ベニカミキリ、食草が主にタケ類なので、竹林の周辺でよく見られる。
時にコデマリや、野バラの花などに多数訪花しているのを見ることもある。
春に多く見られる種類だが、山に近い場所では7月頃まで発生している。

以前に利根川の河川敷で、枯れたヨシに数頭の♀が飛来するのを見たことがあるので、草本のイネ科植物も食草となっている可能性がある。

カミキリムシ科

ベニカミキリ Purpuricenus  temminckii  (Guerin-Meneville,1844)
国内分布:本州・四国・九州・佐渡・隠岐・対馬・壱岐・伊豆大島・淡路島・福江島・平戸島・天草諸島
国外分布:朝鮮半島・中国・ラオス

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ジンガサハムシ、公園入口付近の、小川に沿った場所で、ヒルガオ類の付近に止まっていたもの。
普通種だが、葉の裏面にいることが多いので、あまり目に付かない。

ハムシ科

ジンガサハムシ Aspidomorpha  indica  Boheman,1854
国内分布:北海道・本州・四国・九州
国外分布:シベリア・中国・台湾・ベトナム・インド

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ヤマトシリアゲ、横浜周辺で見られるシリアゲムシ類は、ガガンボモドキの仲間を除くと、ほとんどこの種類だけ。

林床の木漏れ日が当たるような場所で、下草の上に多数見られる。
年に2化ほどするようで、夏に出現する個体は、体が赤褐色のものが多い。

シリアゲムシ科

ヤマトシリアゲ Panorpa  japonica  Thunberg,1784
国内分布:本州・四国・九州

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コマルクロハバチの幼虫、あまり特徴のない幼虫だが、イボタについていたので調べてみたら本種がヒットした。

体の表面が白いロウ状物質で薄く覆われている。
小谷戸の手前にある湿地のへりで見つけた。

ハバチ科

コマルクロハバチ Macrophya  crassuliformis  Forsius,1925
国内分布:本州・四国
国外分布:シベリア

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セイヨウミツバチ、ごく普通に見られる種類だが、元々はヨーロッパ方面から、養蜂家によって持ち込まれたものだと思われる。

野外で発生するものもあるが、分峰の際に分散したもののようだ。

ミツバチ科

セイヨウミツバチ Apis  mellifera  Linnaeus,1758
国内分布:養蜂家達によって導入されたもの。各地に移入され、現在は全国的に見られる種となっている。
国外分布:ヨーロッパ・アフリカから中東にかけて29ほどの亜種が分布するようだ。

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ベッコウハナアブ、比較的大型のハナアブ。
ヒメジョオンなどの花によく飛来する。

ある種のマルハナバチ類によく似た色彩をしていて、飛んでいると紛らわしく見えることがある。

時に林内でホバリングをしている。
公園入口から、谷戸に沿った道沿いの花で2-3頭が見られた。

ハナアブ科

ベッコウハナアブ Volucella  jeddona  Bigot,1878
国内分布:北海道・本州・四国・九州

ベッコウハナアブの仲間では、もっとも普通に見られる。

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シマハナアブ、ナミハナアブを小型にしたような種類。
これもヒメジョオンや・セイタカアワダチソウなど、キク科の花によく飛来する。

耕作地に沿った、川沿いの道で多く見られた。

ハナアブ科

シマハナアブ Eristalis  cerealis  Fabricius,1805
国内分布:北海道・本州・四国・九州・南西諸島
国外分布:アジア地域

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オオイシアブ、日の良く当たる石の上や倒木などに良く飛来する。
川沿いの道で、古い伐採木に止まっていた個体。

大型のムシヒキアブの仲間で、体が非常に硬い。

この種類もマルハナバチ類の♀によく似ている。

ムシヒキアブ科

オオイシアブ Laphria  mitsukurii  Coquillett,1898
国内分布:本州・四国・九州

よく似た種類にチャイロオオイシアブという種類があるが、横浜などの平地で見られる個体は、色彩の変異があり、はっきり区別できるのかどうか解らない。

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ツヤクロカスミカメ、尾根上の広場の周辺で見つけたもの。
小型のカメムシだが、比較的特徴のある斑紋をしている。

この仲間の多くは、体が軟弱で注意深くつままないと、潰れてしまったりすることが多い。

カスミカメムシ科

ツヤクロカスミカメ Arbolygus  glaber  Kerzhner,1988
国内分布:北海道・本州・四国・九州
成虫出現期:5月-10月
クヌギ・カシワ・ミズナラを好む。

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シオヤトンボ、上が♂で下が♀、シオカラトンボよりもやや早めに発生するが、全体的な発生期は重なり合っている。
4-5月に見られるものは本種のことが多い、シオカラトンボよりも小型で、♂はより白く見える。

シオカラトンボよりも、生息環境の好みが狭いようで、比較的良い環境の湿地付近で、多くの個体が見られる。

トンボ科

シオヤトンボ Orthetrum  japonicum  japonicum  (Uhler,1858)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・種子島
成虫出現期:4月-7月

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ヤマサナエ、横浜市の平地部では、もっとも普通に見られるサナエトンボ。
かなり大型の種類で、日陰を飛んでいると小型のヤンマ類に見えることがある。

地面や葉上などによく止まっている。

サナエトンボ科

ヤマサナエ Asiagomphus  melaenops  (Selys,1854)
国内分布:本州・四国・九州
成虫出現期:4月-8月

次回は蝶類と蛾類を紹介します。

舞岡公園5月5日の蝶蛾類

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舞岡公園の2回目で、蝶類と蛾類を紹介します。

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キアゲハ、川沿いの小道で。
何者かに襲われたあとらしく、右側の後翅が欠落している。
近づいてもじっとしたまま。

アゲハチョウ科

キアゲハ Papilio  machaon  Linnaeus,1758
国内分布:北海道・本州・四国・九州
国外分布:ヨーロッパ・アジア・北米北西部
食草:セリ科植物
成虫出現期:4月-10月、年に2-4化。
地域によっていくつかの亜種に分けられているが、研究者によっては別種として扱うこともある。

普通種だが、セリ科植物のない場所には、生息していないので、市街地などでは意外と見かけない。

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水車小屋付近で見つけた、ハンノキの幹を下に向かって降りて行くミドリシジミの幼虫。
おそらく終齢で、サナギになるために地面近くまで降りるのだろう。

通常は、葉を綴り合わせて巣を作り、その中に潜んでいる。

シジミチョウ科

ミドリシジミ Neozephyrus  japonicus  (Murray,1875)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・利尻島
国外分布:ロシア極東地域・中国・朝鮮半島
食草:ハンノキ・ミヤマハンノキ・ヤマハンノキ
成虫出現期:平地では6月、山地では8月位まで見られる。年1化。

関東の平野部では、湿地環境と密接な関係があることが多い。
西日本と九州では、山地が局限される。

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ベニシジミ、川沿いの小道で、ギシギシの葉上に止まっていたもの。
産卵中だったかも知れない。

普通種で、河川沿いの土手などでよく見られる。

シジミチョウ科

ベニシジミ Lycaena  phlaeas  (Linnaeus,1761)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬・種子島
国外分布:ユーラシア大陸・北米に広く分布。
食草:スイバ・ギシギシ・ノダイオウ・エゾノギシギシ
成虫出現期:3月から11月頃まで、年4-6化。

国外では、分布域により多くの亜種に分かれている。

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ダイミョウセセリ、尾根から谷戸に下る道沿いで、林床のササ原で何頭か見かけた。
普段は翅を水平に近くまで開いて止まるが、これは中途半端な開き方で、変な格好で止まっていた。

林地性の傾向が強いセセリチョウで、市街地近くでは、良好な状態の林地が残っていないと、なかなか見かけることがない。

セセリチョウ科

ダイミョウセセリ Daimio  tethys  (M?n?tri?s,1857)
国内分布:北海道(渡島半島)・本州・四国・九州・隠岐・五島列島・対馬
国外分布:ロシア南東部・中国・朝鮮半島・台湾・チベット・インドシナ半島にかけて、いくつかの亜種が分布する。
食草:ヤマノイモ・オニドコロ・ナガイモ
成虫出現期:寒冷地では5月-8月にかけて2化、本州中部以西では4月-10月にかけて3化。

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コチャバネセセリ、谷戸脇の池の周辺で見つけたもの。
比較的早い時期に発生する種類で、5月から6月上旬頃までが個体数が多い。
写真の個体は、比較的新鮮なもの。
他のセセリチョウ科の種類よりも、地面で吸水している姿を見ることが多い。

セセリチョウ科

コチャバネセセリ Thoressa  varia  (Murray,1875)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・利尻島・礼文島・奥尻島
国外分布:サハリン
食草:チマキザサ・ミヤコザサ・アズマネザサ・ススキ
成虫出現期:寒冷地では6月-8月にかけて年1化、本州以南の暖地では5月-9月にかけて年2化。

一部の地域では年3化の発生が見られることがある。
主に終令幼虫で越冬。

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ゴマフリドクガ、小谷戸付近の道沿いで、葉裏に静止していたもの。
チャドクガによく似ているが、春に見られるものは、本種のことが多いようだ。

ドクガ科

ゴマフリドクガ Somena  pulverea  (Leech,1889)
国内分布:本州・四国・九州・対馬・種子島・屋久島・トカラ列島・奄美大島・徳之島・沖永良部島・沖縄本島・久米島・伊江島・宮古島・石垣島・西表島・与那国島
食草:ヒサカキ・サクラ・バラ・ニセアカシア
成虫出現期:5月・7月-8月

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キアシドクガの幼虫、尾根へ登る途中の、道脇の葉上で見つけた。
食草はミズキで、時にかなりの数の幼虫を見ることがある。

成虫は6月頃に、ミズキのまわりを飛び交っている白い蛾だが、あまり低いところへ降りてこない。

ドクガ科

キアシドクガ Ivela  auripes  (Butler,1877)
国内分布:北海道・本州・四国・九州
国外分布:シベリア・中国
食草:ミズキ・クマノミズキ
成虫出現期:6月

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マイマイガの若齢幼虫、車道沿いの広場で撮影。
大量に発生することが多いので、よく知られている。

毒性は強くないようだが、灯火に大量に飛来した時など、人によってはかぶれることもあるらしい。

ドクガ科

マイマイガ Lymantria  dispar  japonica  (Motschulsky,1861)
国内分布:本州・四国・九州
食草:サクラ・リンゴ・クヌギ・クリ・ウメ・バラ・ヤナギ・ケヤキ・ハンノキ・アラカシ・アベマキ
成虫出現期:7月-8月

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ヒメシロノメイガ、小型だが特徴的なきれいな種類。
小谷戸付近で撮影。
ノメイガ類は草の葉裏に止まるものが多いので、発生数が多い割には、撮影に苦労させられることが多い。

ツトガ科

ヒメシロノメイガ Palpita  inusitata  (Butler,1879)
国内分布:本州・四国・九州・対馬・屋久島・小笠原
食草:イボタ・ネズミモチ
成虫出現期:5月-9月

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クワコの幼虫、水車小屋付近で撮影。
クワの葉上に静止していたもので、カイコの原種とされている。

カイコガ科

クワコ Bombyx  mandarina  (Moore,1872)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬・屋久島・トカラ列島
国外分布:朝鮮半島・中国
食草:ヤマグワ・クワ
成虫出現期:6月-7月

イメージ 11
ヨツボシホソバの幼虫、地衣類を食するので、地衣類の生えた比較的太い広葉樹の樹幹部に見られる。
最近、ウンナンヨツボシホソバという種類が混じっていることが知られて、成虫の交尾器以外の区別点が見つかっていないので、この幼虫もどちらの種類になるのかが判らない。

成虫は、両種が混じって採集されることもあるという。

ここでは、暫定的に従来通りヨツボシホソバとしておく。

ヒトリガ科

ヨツボシホソバ Lithosia  quadra  (Linnaeus,1758)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬・屋久島
食草:地衣類
成虫出現期:6月-9月

イメージ 12
クワゴマダラヒトリの幼虫、平地ではよく見かける毛虫の一種で、個体数も多い。
川沿いの小道脇で撮影したもの。

ヒトリガ科

クワゴマダラヒトリ Lemyra  imparilis  (Butler,1877)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬・屋久島
国外分布:台湾・中国
食草:クリ・コナラ・ヤナギ・ウツギ・サンゴジュ・ガマズミ・クワ・エンドウ
成虫出現期:9月

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シロヘリキリガの幼虫、尾根部に登る途中の、湿地脇の木柵に止まっていたもの。
これもこの時期普通に見られる幼虫。

色彩的にも分かりやすい種類。

このタイプの幼虫は、いろいろなグループに出て来るので、時にグループを特定するのに苦労することがある。

ヤガ科

シロヘリキリガ Orthosia  limbata  (Butler,1879)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬
国外分布:中国・台湾
食草:サクラなど広葉樹・クヌギ・コナラ
成虫出現期:4月

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クロモンウスチャヒメシャク、地味なシャクガだったが、意外とあっさり種名が判った。
後翅の小さな丸い模様が特徴的。

シャクガ科

クロモンウスチャヒメシャク Perixera  absconditaria  absconditaria  (Walker,1863)
国内分布:本州・四国・九州・対馬・屋久島
国外分布:台湾・スマトラ・ジャワ・マレー・インド
食草:不明
成虫出現期:7月

東南アジアまで広く分布する種類のようだが、食草は特定されていないようだ。

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マドガ、平地でよく見かける種類で、小型の蛾だが、同定は難しくない。
ヒメジョオンの花などにもよく訪れる。

マドガ科

マドガ Thyris  usitata  Butler,1879
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬
国外分布:千島列島
食草:ボタンヅル
成虫出現期:5月-8月

次は5月15日に撮影した、昭和記念公園の昆虫類を紹介します。

立川市昭和記念公園5月15日:主に蛾類

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立川市昭和記念公園を、5月15日に訪れた際、撮影できた昆虫類を紹介します。
2回に分けて紹介しますが、今回は主に蛾類の名前の判ったものが中心です。

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ケヤキの大径木で見つけたオオチャタテの幼虫の集団。
ちょうど幼虫の時期だったらしく、園内各地で多くの集団が見られた。

チャタテムシ科

オオチャタテ Psococerastis  nubila  (Enderlein,1906)
国内分布:北海道・本州・四国

このあと、他の地域でも、各種の樹木の樹幹部で、普通に見られることがわかった。

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イラガの繭、以前は各地のウメなどの枝でよく見られたが、最近、都市近郊ではほとんど見られなくなっている。

イラガ科

イラガ Monema  flavescens  Walker,1855
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬
国外分布:シベリア・朝鮮・中国
食草:カキ・ナシ・リンゴ・ウメ・ソメイヨシノ・クヌギ・ヤナギ・ハンノキ
成虫出現期:6月-9月

イメージ 4
ニレコヒメハマキ、コケ類の多く生えたケヤキの樹幹部にいたもの。
すぐ左側に、蛾類と思われる蛹の脱け殻が見られるが、この個体のものかどうかは不明。

ハマキガ科

ニレコヒメハマキ Epinotia  ulmicola  Kuznetzov,1966
国内分布:北海道・本州・四国
国外分布:千島列島・沿海州
食草:ケヤキ・ハルニレ・オヒョウ
成虫出現期:6月-7月

イメージ 5
フタヤマエダシャク、残堀川に沿ったアカマツの大径木が並んでいるあたりで撮影。
調べてみたところ、アカマツが食草らしいので、場所も良くあっている。

特徴的な斑紋で、わりと簡単に種名が判った。

シャクガ科

フタヤマエダシャク Rikiosatoa  grisea  grisea  (Butler,1878)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬・屋久島
国外分布:朝鮮
食草:アカマツ
成虫出現期:5月-7月、9月

イメージ 6
アカバキリガの幼虫、ミズキの葉を二つ折りにした、幼虫の巣が見つかったので、開いてみたらこの種類が入っていた。
かなり広く各種の植物を食するようだ。

ヤガ科

アカバキリガ Orthosia  carnipennis  (Butler,1878)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬
国外分布:アムール・中国・朝鮮・台湾
食草:サクラ・クヌギ・カシワ・コナラ・エノキ・アベマキ
成虫出現期:3月-4月

幼虫は強く刺激すると、発音するという。

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ヨモギの葉に止まっていたキバラモクメキリガの幼虫、体の色はかなり変化するが、体の横を走る白線と、頭部の後ろにある黒紋が特徴。

ヤガ科

キバラモクメキリガ Xylena  formosa  (Butler,1878)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬・屋久島・沖縄本島
国外分布:アムール・中国・台湾
食草:ナシ・サクラ・エンドウ・エニシダ・タケニグサ・イタドリ・ギシギシ・ゴボウ・キクイモ・タバコ・セキコク・クヌギ・シデコブシ
成虫出現期:10月-11月、3月-4月

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ミズキの葉を食しているキアシドクガの幼虫。
たくさん見られることもあるが、この日はこれ1個体だけ。

アカバキリガの幼虫と同じ木で見つけた。

イメージ 9
クズの葉裏にいたマメドクガの幼虫。
いろいろなマメ科植物に付くようだが、食痕のあるクズの葉をめくっていると見つかることが多い。

イメージ 10
ヨツボシホソバの幼虫、横浜で見たものよりも、幅広く見えたので撮影してみたが、並べてみるとあまり変わらなかった。

木の幹に生えた地衣類を食することが多いが、時に石の上や倒木に生えた地衣類で見られることもある。
うっすらと緑がかったように生えている場所を好むように思える。

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園内各所の草地に見られた、ヒメウラナミジャノメ。
地味な蝶だが、撮影してみると、細かなさざ波模様が面白く感じられる。

タテハチョウ科
ジャノメチョウ亜科

ヒメウラナミジャノメ Ypthima  argus  (Butler,1866)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・利尻島・種子島・屋久島
食草:ススキ・チヂミザサ
成虫出現期:4月-9月、寒冷地では年1-2化、暖地では3化、時に10月に4化が発生することがある。
中齢から終齢幼虫で越冬。

以前はこの仲間は、ジャノメチョウ科だったが、最近ではタテハチョウ科の亜科とされることが多い。

イメージ 12

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ヨコヅナサシガメ、各種の昆虫を補食するが、蛾類の幼虫を捕まえている個体を見ることも多い。
この日は、園内の何ヶ所かで、このヨツボシホソバの幼虫を捕食しているのが見られた。

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コナラの葉の隙間に潜んでいた、チャバネアオカメムシ。
普通種で個体数も多いが、この日はこれ1頭だけ。

灯火採集をすると、大量に飛来することがある。

カメムシ科

チャバネアオカメムシ Plautia  crossota  stali  Scott,1874
国内分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄本島
国外分布:東アジア

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ツヤクロカスミカメムシ、普通種で各地でたくさん見られる。
小型で軟弱なカメムシで、よく似た種類が多く、名前を調べるのが困難な場合があるが、この種類はわりと特徴的な色彩で見分けられる。

雑木林の林床で見つけた個体を撮影。

次回は、今回紹介した以外の昆虫、甲虫類等を紹介します。

昭和記念公園5月15日:甲虫類他

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昭和記念公園5月15日の2回目です。
甲虫類等を紹介します。

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雑木林の歩道沿いで交尾していた個体。
腐肉などに発生する、ハエ類のウジを食している。

各地で極めて普通だが、良好な森林環境がないと、多くは見られない。

シデムシ科

オオヒラタシデムシ Eusilpha  japonica  (Motschulsky,1860)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・佐渡・伊豆大島・利島

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ヒラタアオコガネ、公園の芝地などの、人工的な環境で、極めて多数の個体を見ることがある。
良好な自然環境では、あまり見かける種類ではないので、人為的に移動している可能性が伺える。

当地でも、乾燥した芝地に、多数の個体が発生している。

コガネムシ科

ヒラタアオコガネ Anomala  octiescostata  (Burmeister,1844)
国内分布:本州・四国・九州・上甑島・屋久島

イメージ 3
クロハナムグリ、ヒメジョオンの花に多いハナムグリの一種。

一般的にはそれほど普通に見られる種類ではない。
同様な環境に見られるコアオハナムグリと較べると、かなり少ない種類だが、時に狭い範囲で多数の個体が発生することがある。

午前中に個体数が多いようだ。

クロハナムグリ Glycyphana  fulvistemma  Motschulsky,1860
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬・八重山諸島

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ヒメビロウドコガネ、よく似た種類が多いビロウドコガネの仲間では、最も早く発生する種類。
春から初夏にかけて、花や葉上に普通に見られる。

この仲間は、夜行性の種類が多いが、本種は昼行性が強く日中によく見られる。
灯火にもそれほど飛来しないように思う。

ヒメビロウドコガネ Maladera  orientalis  (Motschulsky,1857)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・舳倉島

イメージ 5
コイチャコガネ、クリなどの葉上に多くみられる。
新鮮な個体は、粉をふいたような感じで、白っぽく見える。

春から秋まで長い期間にわたって見ることが出来る。

コイチャコガネ Adoretus  tenuimaculatus  Waterhouse,1875
国内分布:北海道・本州・四国・九州・上甑島

イメージ 6
ウバタマムシ、衰弱したマツの大径木に飛来していた個体。
伐採木や立枯でも見られる。

普通種だが、発生する環境は限られている。
成虫越冬で、時に真冬でも活動している個体を見かけることがある。

タマムシ科

ウバタマムシ Chalcophora  japonica  japonica  (Gory,1840)
国内分布:本州・四国・九州・佐渡・隠岐・対馬・神津島・小笠原諸島・天草諸島・種子島・屋久島・トカラ中之島・トカラ口之島
国外分布:中国北部・朝鮮半島・台湾・中国・インドシナ

イメージ 7
クシコメツキ属の一種。
春から初夏にかけて、草地で普通に見られる種類だが、種名は判らない。

ヒラタクロクシコメツキあたりかなと思っているが。

イメージ 8
ナナホシテントウの蛹、ヨモギの葉上に着いていたもの。
河川敷などに多い種類だが、街中でも見ることが出来る。

テントウムシ科で、もっともポピュラーな種類。

テントウムシ科

ナナホシテントウ Coccinella  septempunctata  Linnaeus,1758
国内分布:北海道・本州・四国・九州・舳倉島・小笠原諸島・トカラ列島・奄美大島・沖縄本島・宮古島・石垣島・西表島
国外分布:シベリア・千島列島・ユーラシア大陸・台湾・アフリカ北部

イメージ 9
キイロトラカミキリ、雑木林の周辺などに多い種類。
特徴的な斑紋で、種類は簡単に解る。

平地のトラカミキリではやや大型の種類。

コナラなどの伐採木で、多数の個体が見られることがある。

カミキリムシ科

キイロトラカミキリ Grammographus  notabilis  notabilis  (Pascoe,1862)
国内分布:本州・四国・九州・隠岐・対馬・平戸島・種子島・屋久島・トカラ中之島
国外分布:朝鮮半島・中国中部・中国南部

イメージ 10
コフキゾウムシ、クズなどマメ科の植物に極めて普通に見られる。
口の長いゾウムシの中では、口の太短いクチブトゾウムシ亜科に含まれる。

ゾウムシ科

コフキゾウムシ Eugnathus  distinctus  Roelofs,1873
国内分布:本州・四国・九州・佐渡・対馬・伊豆大島・利島・新島・神津島・沖永良部島・沖縄本島・宮古島・石垣島・西表島
国外分布:朝鮮半島・中国・台湾

イメージ 11
セイヨウミツバチ、養蜂に使用される種類で、各地に普通に見られるが、元はヨーロッパに分布しているもの。
日本に生息するものは、自然分布ではない。
各種の花に見られるが、特にマメ科を好むように思う。

イメージ 12
ニッポンヒゲナガハナバチ、よく似た種類にシロスジヒゲナガハナバチがあるが、本種は前翅肘室が3室に分かれるので区別できる。

シロスジヒゲナガハナバチは2室に分かれる。

春にツメクサ類など草本のマメ科の花にに多く見られる。

ハナバチ科

ニッポンヒゲナガハナバチ Tetralonia  nipponensis  Perez,1911
国内分布:本州・四国・九州
成虫出現期:4月-5月

イメージ 13
マダラカマドウマ幼虫、トンネルの壁面で見つけた個体。
野外でも屋内でも見ることが出来るが、近年、市街地では個体数の減少が著しい。

カマドウマ科

マダラカマドウマ Diestrammena  japonica  Blatchley,1920
国内分布:北海道・本州・四国・九州

次回は5月30日の、狭山丘陵の昆虫類を紹介します。

狭山丘陵5月30日の蛾類

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狭山丘陵を散策した際に、撮影できた蛾類の内、種名の判明したものを紹介します。

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ギンツバメ、林縁で日陰の葉上でたまに見かける。
ガガイモ科の植物を食草としているようだ。

比較的昼行性の主で、灯火にはあまり飛来しない。
この個体も、日陰の葉上に静止していたもの。

ツバメガ科

ギンツバメ Acropteris  iphiata  (Guen?e,1857)
国内分布:北海道・本州・四国・九州
国外分布:朝鮮半島・中国
食草:ガガイモ・オオカモメヅル・コカモメヅル・トキワカモメヅル・ナンゴクカモメヅル
成虫出現期:6月-7月・9月-10月

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オオシラホシアツバ、これも木漏れ日の射す林床の、下草に止まっていたもの。
灯火にも良く飛来する。

ヤガ科

オオシラホシアツバ Edessena  hamada  (Felder & Rogenhofer,1874)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬・種子島
国外分布:朝鮮半島・中国
食草:クヌギ
成虫出現期:5月-8月

イメージ 3
ニセシロフコヤガ、種名を確定するのが難しい種類で、交尾器を検討しないと確定は出来ないらしい。
画像検索してみたが、斑紋のバリエーションの範囲も大きい。

ニセシロフコヤガ Sugia  erastroides  (Draudt,1950)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬
食草:不明
成虫出現期:5月・7月-8月

イメージ 4
マメキシタバ、小型のカトカラ属で、あまり大きくないコナラの幹に静止していた。
わずかに後翅の黄色が覗いている。

マメキシタバ Catocala  duplicata  Butler,1885
国内分布:北海道・本州・四国・九州・小豆島
国外分布:朝鮮半島
食草:クヌギ・アラカシ・ミズナラ
成虫出現期:7月-8月

イメージ 5
キマエクロホソバ、よく似た種類が多くて、見分けるのが難しいホソバ類では、色彩が顕著で分かりやすい種類。
ヒトリガ科の種類は、日中はあまり活動的ではない。

ヒトリガ科

キマエクロホソバ Ghoria  collitoides  Butler,1885
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬・屋久島
国外分布:シベリア・樺太・朝鮮半島・中国
食草:地衣類
5月-6月

イメージ 6
カクモンハマキ、このグループは、小型で地味な種類が多いが、斑紋が特徴的な種類は、意外と種名が調べやすい。
春から初夏にかけて、林床の葉上に、この仲間が多くみられる。

この種類の食草の幅は、非常に広いようだ。

ハマキガ科

カクモンハマキ Archips  xylosteana  (Linnaeus,1758)
国内分布:北海道・本州・九州
国外分布:旧北区
食草:バラ・リンゴ・ナシ・ブナ・クリ・カバノキ・シラカンバ・ニレ・ヤナギ・ミズキ科・ミズナラ・コナラ・クヌギ・ヤマハンノキ・ウダイカンバ・ダケカンバ・ケヤキ・マンサク・オニグルミ・サクラ類・オウトウ・スモモ・ブンゴウメ・シモツケ・シラカンバ
成虫出現期:7月-8月

イメージ 7
マルモンシロナミシャク、ユウマダラエダシャクなどに似た色彩で、エダシャク亜科と思って探していたところ、知人にナミシャク亜科と教えられた。

この仲間は、かなり敏捷で、撮影しようとして逃げられることも多い。

シャクガ科

マルモンシロナミシャク Gandaritis  evanescens  (Butler,1881)
国内分布:本州・四国・九州・屋久島
国外分布:中国
食草:ツルアジサイ・イワガラミ・ノリウツギ
成虫出現期:6月-7月

イメージ 8
トビモンオオエダシャク幼虫、特異な形なので、ブログなどで良く紹介されている。
雑木林の林床にいたもので、3cm.ほどのサイズで、あまり大きくないので若齢後半と思われる。

幼虫でも簡単に見分けられる種類。
食草の範囲も広い。

トビモンオオエダシャク原亜種 Biston  robustus  robustus  Butler,1879
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬・屋久島
国外分布:朝鮮半島・中国
食草:ブナ科・ニレ科・バラ科・マメ科・ニシキギ科・カエデ科・ツバキ科・ミズキ科・モクセイ科・スイカズラ科
成虫出現期:3月-4月

イメージ 9
ホシシャク蛹、食草はイボタで、この蛹が付いていた植物は別の種類だったが、近くにイボタが何本かあったので、そこから移動して蛹化したものと思われる。

付近には幼虫も見られた。

ホシシャク Naxa  seriaria  (Motschulsky,1866)
国内分布:北海道・本州・四国・九州
国外分布:シベリア・朝鮮半島・中国
食草:イボタノキ・ネズミモチ
成虫出現期:5月-6月

イメージ 10
ハラアカウスアオナミシャク、よく似た種類が多い小型のナミシャクだが、翅に暗い緑が点在することと、腹部背面が赤褐色なので見分けられる。

尾根部の薄日の当たる場所で、木の幹に静止していたもの。

ハラアカウスアオナミシャク Chloroclystis  obscura  West,1929
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬
食草:不明
成虫出現期:5月-8月

イメージ 11
ウンモンオオシロヒメシャク、止まっている時は、ある種のカギバ類のように見えた。
特徴的な種類で、簡単に見分けられる。

ウンモンオオシロヒメシャク Somatina  indicataria  morata  Prout,1938
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬・屋久島
食草:スイカズラ・オオバヒョウタンボク
成虫出現期:5月-9月

イメージ 12
キスジホソマダラ、昼行性の種で、各地で普通に見られる。
あまり斑紋変異はないようなので、簡単に見分けられる。

明るい林縁環境で、下草の葉上に多い。

マダラガ科

キスジホソマダラ Balataea  gracilis  gracilis  (Walker,1865)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬
国外分布:千島列島・朝鮮半島・中国
食草:ササ・ススキ
成虫出現期:7月-8月

イメージ 13
タケカレハ繭、伐採跡のような環境で、枯れた細枝に付いていたもの。
幼虫は有毒だが、蛹も幼虫の毒毛がついているらしく、触るとかぶれるという。
サイズは4cm.ほどで、終齢幼虫の大きさと較べるとかなり小さい。

カレハガ科

タケカレハ Euthrix  albomaculata  directa  (Swinhoe,1892)
国内分布:北海道・本州・四国・九州
食草:タケ・ササ・クマザサ・ススキ・ヨシ
成虫出現期:5月-6月・9月-10月

イメージ 14
シバツトガ、草本のイネ科植物を食草としている種類で、背の低い芝地状の草地に多くの個体が見られる。
小型で地味な種類ばかりだが、薄い斑紋を、丁寧に見比べて行くと、意外と種名が判ることが多い。

標本写真よりも、生態写真のほうが見分けやすい気がする。

ツトガ科

シバツトガ Parapediasia  teterella  (Zincken,1821)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・小笠原諸島・対馬・沖縄本島
国外分布:北米
食草:シバ
成虫出現期:4月-6月・8月-9月

イメージ 15
モモノゴマダラノメイガ、伐採跡のようなところで、イネ科の草本の葉裏に静止していた。
斑紋と色彩に特徴があるので、見分けやすい。

食草の範囲も分布域も非常に広い。

東南アジア方面に広く分布する種類のようだ。

モモノゴマダラノメイガ Conogethes  punctiferalis  (Guen?e,1854)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬・種子島・屋久島・奄美大島・徳之島・沖永良部島・沖縄本島・久米島・伊江島・石垣島・西表島
国外分布:韓国・台湾・中国・ベトナム・ミャンマー・タイ・ネパール・シッキム・インド・フィリピン・ボルネオ・ジャワ・スラウェシ・オーストラリア
食草:クリ・モモ・リンゴ・ナシ・ミカン・アカメガシワ・ヒマラヤスギ・トウヒ・ゴヨウマツ・モミ・ツガ・スギ毬果・ハマボウ
成虫出現期:5月-6月・7月-8月

イメージ 16
イラガの繭、成虫が脱出したあと。
わりときれいな状態で、このように蓋が取れて口が開いたものが、スズメノショウベンタゴと俗称されている。

次回は甲虫類等を紹介します。

狭山丘陵5月30日:甲虫類を中心に

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狭山丘陵の昆虫類の2回目で、甲虫類を中心に紹介します。

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シマサシガメ、林床の下草に止まっているものがよく見られる。
かなり敏捷で、近づくと飛んで逃げられることが多い。

この手の柔らかい感じのサシガメは、以前は刺さないものと思っていたが、一度採集した折に刺されたことがあって、かなりの痛みを感じた。

サシガメに限らず、カメムシ類は基本的に刺すこともあるようだ。

サシガメ科

シマサシガメ Sphedanolestes  impressicollis  (Stal,1861)
国内分布:本州・四国・九州・対馬

イメージ 2
コキノコゴミムシ、生木の幹を這っているのを撮影したが、普通はキノコ類が発生している材で見られることが多い。
通常は夜行性だが、稀に昼間に見られることがある。

こういった生木に止まっているのは、非常に珍しいことではないだろうか。
ゴミムシやオサムシの仲間は、見つけても走り回っていることが多く、なかなか撮影の機会がない。

オサムシ科

コキノコゴミムシ Coptodera  japonica  Bates,1883
国内分布:本州・九州
国外分布:台湾

イメージ 3
ヒゲナガハナノミ、関東の低標高地では、この仲間は3種類ほど分布するが、本種がもっとも普通に見られる種類。
湿地や小さい流れに沿った林縁環境など、湿り気を帯びた場所の葉上に多い。

幼虫は水生。

♂♀でかなり色彩が異なり、触角も♂はクシの歯状を呈する。

ナガハナノミ科

ヒゲナガハナノミ Paralichas  pectinatus  (Kiesenwetter,1874)
国内分布:本州・四国・九州

イメージ 4
クロハナムグリ、コナラのかなり朽ちた倒木の樹皮を剥いで見つけた。
産卵するためにもぐり込んでいたようで、同じ倒木で他に2-3頭の個体を見ている。

コガネムシ科

クロハナムグリ Glycyphana  fulvistemma  Motschulsky,1860
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬・八重山諸島

イメージ 5
コクワガタ、平地ではもっとも普通に見られる種類で、撮影した個体は小型の♂。
何かに咬まれたか、戦いの際に他の個体に傷つけられたかしたらしく、左側の上翅が凹んでいる。

伐採跡のような場所の、コナラの幹に止まっていた。

近くの木から、樹液がでていたので、そこに来るつもりだったのだろう。

クワガタムシ科

コクワガタ Macrodorcas  rectus  rectus  (Motschulsky,1857)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・佐渡・対馬・隠岐・伊豆諸島・種子島・屋久島
国外分布:中国・朝鮮半島

イメージ 6

イメージ 7
アオマダラタマムシ、尾根に近い処で、幹の細く比較的なめらかな樹種の生木に飛来していた。
全くの生木で、衰弱しているような感じではなかった。

同じ場所で、他に2-3頭見つけている。

タマムシ科

アオマダラタマムシ Nipponobuprestis  amabilis  (Snellen van Vollenhoven, 1864)
国内分布:本州・四国・九州・対馬

イメージ 8
ホソツツタマムシ、駐車場付近の、湿地脇の草地で、イネ科やスゲ類の葉に止まっている個体が何頭かいた。

ホソツツタマムシ Paracylindromorphus  japanensis  (E.Saunders,1873)
国内分布:本州・四国・九州・対馬
国外分布:中国・朝鮮半島

イメージ 9
アカハラクロコメツキ、枯れたマツの樹皮下に多い種類で、冬期でも越冬中の成虫を見つけることが出来る。
この種類が属する、アカコメツキ属は、よく似た種類が多く見分けるのが難しいが、この種類は腹部が赤褐色をしているので、簡単に見分けられる。

コメツキムシ科

アカハラクロコメツキ原亜種 Ampedus  hypogastricus  hypogastricus  (Candeze,1873)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・粟島・佐渡・冠島・隠岐・対馬・伊豆大島・御蔵島・三宅島・淡路島・福江島

イメージ 10
クロツヤハダコメツキ、ツヤハダコメツキの仲間では、もっとも普通に見られる種類。
初夏の頃に、雑木林のような環境でよく見られる。

クロツヤハダコメツキ Ampedus  hypogastricus  hypogastricus  (Candeze,1873)
国内分布:本州・四国・九州・飛島・粟島・佐渡・冠島・隠岐・伊豆諸島・屋久島・沖縄本島

イメージ 11
サビキコリ、葉上・地面など、様々な場所で普通に見られる。
成虫・幼虫ともに捕食性らしい。

この仲間は平地に多く、関東では小型のものを除いて3種類見られる。
この仲間は砂浜や畑地など、地面に見られることが多い。

サビキコリ Agrypnus  binodulus  binodulus  (Motschulsky,1861)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・渡島大島・粟島・佐渡・壱岐・隠岐・対馬・伊豆諸島・五島列島・上甑島・下甑島・種子島・屋久島・口永良部島・与那国島

イメージ 12
ヨツボシオオキスイ(上)とムナビロオオキスイ(下)。
樹液で普通に見られるが、両種ともかなり敏感で、撮影しようとすると、あっという間に落下してしまうことが多い。

オオキスイ科

ヨツボシオオキスイ Helota  gemmata  Gorham,1874
国内分布:北海道・本州・四国・九州

ムナビロオオキスイ Helota  fulviventris  Kolbe,1886
国内分布:本州・四国・九州
国外分布:朝鮮半島

イメージ 13
キマワリ、やや古い倒木や立枯れに良くついているが、生木の幹に付いていることも多い。
体色はやや青味を帯びた黒色と、やや金色がかった光沢を持つものの2タイプがある。

時期によっては、地面に降りている個体を見ることもある。

地域によって、体型などに変異が見られる。

ゴミムシダマシ科

キマワリ Plesiophthalmus  nigrocyaneus  nigrocyaneus  Motschulsky,1857
国内分布:北海道・本州・四国・利尻島・礼文島・焼尻島・舳倉島・冠島・対馬・御蔵島
国外分布:樺太

イメージ 14
アオカミキリモドキ、灯火に良く飛来するが、クリの花に多数の個体が飛来していることも多い。
体に有毒な物質が含まれていて、首筋などに止まった個体を、うっかり手で払ったりして潰れてしまうと、炎症を起こしたりする。

カミキリモドキ科

アオカミキリモドキ Xanthochroa  waterhousei  Harold,1875
国内分布:北海道・本州・四国・九州・屋久島・沖縄本島
国外分布:樺太・朝鮮半島

イメージ 15
アトジロサビカミキリ、生木の幹に止まっていたものだが、普段は細い伐採枝にいる。
幼虫も細い枯枝に食い入る。

平地に多いカミキリムシの一種。

カミキリムシ科

アトジロサビカミキリ Pterolophia  zonata  (Bates,1873)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・飛島・佐渡・隠岐・淡路島・平戸島・天草諸島・種子島・屋久島

イメージ 16
カシワクチブトゾウムシ、コナラ・クリなどに多いが、かなりいろいろな樹木の葉上にみられる。
雑木林では、非常に普通に見られる。

同じ場所で、よく似たゾウムシが何種か見られるので、注意が必要でもある。

本種は、口上板と呼ばれる、吻の先端部のなめらかな部分に、鱗片がないのが特徴。

ゾウムシ科

カシワクチブトゾウムシ Nothomyllocerus  griseus  (Roelofs,1873)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬・三宅島・御蔵島

イメージ 17
アリスアブ、この仲間は幼虫がアリの巣の中で生活する。
何種類か知られているが、本種がもっとも普通に見られる種類。

幼虫はブログなどを検索すると画像が見られるが、知っていないと、全く昆虫とは思えないような姿をしている。

成虫は春から初夏にかけて多く見られるが、幼虫は秋遅く、蛹は早春の頃によく見られる。
平地でも少ないものではないようだ。

ハナアブ科

アリスアブ Microdon  japonicus  Yano,1915
国内分布:本州・四国

イメージ 18
ヨコジマオオハリバエ、特徴的な色彩の大型のハエで、腹部に堅く長い黒い剛毛が生えている。
平地でも林縁の日の当たる葉上に普通に見られる。

ヤドリバエ科

ヨコジマオオハリバエ Tachina  jakovlevi  (Portschinsky,1882)
国内分布:北海道・本州・四国・九州
成虫出現期:6月-10月

イメージ 19
ヤマジガバチ、よく似た種類にサトジガバチがあって、区別点もかなり微妙なようだが、別の角度から撮った写真で見ると、胸部背面が皺状でないように見えるので、ヤマジガバチとしておく。

サトジガバチは皺状に点刻されるようだ。
一般には本種のほうが、山よりの環境で見られることが多いようだが、場所によると両方見られることもあるらしいので、注意が必要かも知れない。

アナバチ科

ヤマジガバチ Ammophila  infesta  Smith,1873
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬・屋久島・奄美大島

次回は、狭山丘陵の3回目で、蝶類を紹介します。

狭山丘陵の蝶類

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5月30日に狭山丘陵で撮影した昆虫の内、蝶類の画像を紹介します。

イメージ 1
ダイミョウセセリ、尾根部はクリの花が満開で、何種類かの蝶が訪花していた。
羽化してからしばらくたっているようで、多少すれた感じ。

セセリチョウ科

ダイミョウセセリ Daimio  tethys  (M?n?tri?s,1857)
国内分布:北海道(渡島半島)・本州・四国・九州・隠岐・五島列島・対馬
国外分布:台湾・中国西部からインドシナ半島北部にかけて、いくつかの亜種が分布する。
食草:ヤマイモ・オニドコロ・ナガイモ
成虫出現期:4月-10月(年3化) 寒冷地では5月-8月(年2化)

イメージ 2
ウラナミアカシジミ、これもクリの花に来ていたもの。
かなりの数が見られた。

シジミチョウ科

ウラナミアカシジミ Japonica  saepestriata  Hewitson,1865
国内分布:北海道(中部・南部)・本州・四国
食草:クヌギ・コナラ・アベマキ
成虫出現期:6月・寒冷地では7月-8月

イメージ 3
アカシジミ、ウラナミアカシジミほどではないが、これもクリの花や、林床の葉上に多くみられた。

アカシジミ Japonica  lutea  (Hewitson,1865)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・利尻島・対馬
国外分布:中国東北部・朝鮮半島・台湾
食草:コナラ・クヌギ・ミズナラ・カシワ
成虫出現期:5月下旬-6月・寒冷地では7月

イメージ 4
ミズイロオナガシジミ、前の2種と共に、平地産ゼフィルス類普通種の定番のような種類。

アカシジミ類よりも少なかったが、何頭か見られた。

ミズイロオナガシジミ Antigius  attilia  (Bremer,1861)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・隠岐・対馬
国外分布:ロシア南東部・モンゴル・朝鮮半島・中国・ミャンマー
食草:コナラ・クヌギ・アベマキ・ミズナラ・アカガシ
成虫出現期:6月・寒冷地では7月-8月

イメージ 5

イメージ 6
この日一番多かったのはテングチョウ。
地面に止まっている個体や、花に来ている個体が、どこに行っても目に付いた。
下は、比良の丘付近で見つけた蛹。

タテハチョウ科テングチョウ亜科

テングチョウ Libythea  celtis  (Laicharting,1782)
国内分布:北海道(近年は見られない)・本州・四国・九州・対馬・奄美諸島・沖縄諸島・八重山諸島
国外分布:朝鮮半島・台湾
食草:エノキ・エゾエノキ・クワノハエノキ
成虫出現期:5月下旬-6月・7月-8月・八重山では周年発生。
成虫で越冬。

最近、都市近郊で個体数の増加が目立つ種類。

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クロヒカゲ、最近はヒカゲチョウよりも、こちらの方がよく目に付く。
普通種だが、敏捷で、意外と撮影に手間取ることが多い。

タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科

クロヒカゲ Lethe  diana  (Butler,1866)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・利尻島・礼文島・御蔵島・対馬・壱岐
国外分布:サハリン・台湾・中国・朝鮮半島
食草:ネザサ・チシマザサなどササ類
成虫出現期:暖地では5月-9月(年3化)・寒冷地では1-2化。

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サトキマダラヒカゲ、これも普通種だが、クロヒカゲよりも更に敏捷なので、かなり近づきにくい。
街中の公園などでも、かなり普通に見られる。

サトキマダラヒカゲ Neope  goschkevitschii  (M?n?tri?s,1857)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・利尻島・奥尻島・伊豆大島
食草:メダケ・ネザサ
成虫出現期:5月-8月(年2化)・寒冷地では7月-8月(年1化)

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ヒオドシチョウ、ちょうど発生期に当たったようで、新鮮な個体を何頭か目撃した。
倒木の上で翅を開いていたが、近くのコナラの樹液に飛んでいった。

樹液にはモンスズメバチが来ていたが、それを警戒しているのか、少し進んでは停止する動作を繰り返していた。

タテハチョウ科タテハチョウ亜科

ヒオドシチョウ Nymphalis  xanthomelas  (Esper,1781)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・利尻島・佐渡・隠岐
国外分布:東アジア・東ヨーロッパ
食草:エノキ・ハルニレ・エゾヤナギ・シダレヤナギ
成虫出現期:5月下旬-7月
成虫で越冬。

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クリ林の下草で交尾していたモンキチョウ。
これもかなり新鮮な個体。

普段は、日当たりの良い草地で、花に来ている個体を見ることが多い。

シロチョウ科

モンキチョウ Colias  erate  Esper,1805
国内分布:北海道・本州・四国・九州・南西諸島まで広く分布
国外分布:ヨーロッパ南東部・トルコ・中央アジア・台湾・ソマリア・エチオピア
食草:アカツメクサ・シロツメクサ・ミヤコグサ・レンゲ・クサフジなどマメ科
成虫出現期:3月-11月(年3-5化)
幼虫で越冬。

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今回も、ホソオチョウ・ポイントへ行ったがウマノスズクサが刈り取られたあとだったのと、どこかの学校の生徒の一団が、採集に来ていたのとで、2-3頭見かけただけ。

それでも残った食草に付いていた幼虫と、道脇で見つけた蛹も撮影できた。

アゲハチョウ科

ホソオチョウ Sericinus  japonica  Gray,1852
国内分布:本州(関東西部から山梨)だが、人為的に持ち込まれたもの。
国外分布:沿海州・中国・朝鮮半島
食草:ウマノスズクサ
成虫出現期:5月-9月(年2-3化)
蛹で越冬。

イメージ 15
ジャコウアゲハ、クリの花に来ていた、きれいな♀個体は逃げられてしまったので、下草に止まっていた破損した♂を撮影。

これも市街地周辺で増えているらしく、最近は小机町付近の鶴見川でも見かけている。

ジャコウアゲハ Byasa  alcinous  (Klug,1836)
国内分布:本州(秋田・岩手以南)・四国・九州・屋久島・種子島・南西諸島
国外分布:台湾・中国東部・朝鮮半島・沿海州
食草:ウマノスズクサ・オオバウマノスズクサ・リュウキュウウマノスズクサ
成虫出現期:5月-8月(暖地では3-4化、寒冷地では2化。

次回は、四季の森公園で撮影した、ホタルの写真を紹介する予定です。

四季の森公園6月13日:ホタル

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ちょうど一月前ですが、四季の森公園でゲンジボタルを見てきました。

カメラのライブコンポジット機能を試してみたかったのですが、週末だったので、人が多すぎたのと、撮影場所の選定が良くなかったので、これといった写真は撮れませんでした。

また、来年に持ち越しです。

イメージ 1

イメージ 2
上はピントが甘め、下はもう少し露出時間を延ばして、背景を写し込んだほうが良かったかなと。

イメージ 3
帰りぎわに池の方向から、管理事務所方面を撮影。

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ホタルの時期は、ささやかながらライトアップされているようです。

ホタルの飛び出すのは7時半過ぎから。
9時過ぎに切りあげて帰宅した。

四季の森公園:6月15日・池の畔で

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6月15日に四季の森公園へ行った折のことです。

池の一角にカワセミ・ポイントがある。
普段は4-5人の人が、三脚を立てているが。

イメージ 1
この日は大型の望遠レンズをのせた三脚が、10本ほど。

多くは椅子なども持参で。

レンズの値段だけで、いくら位になるのかと考えてしまった。

このあとはいつものコースで、昆虫類を撮影しながら散策したが、この日は変形菌類も結構撮影できたので、それらについては日をあらためて。

四季の森公園6月15日:昆虫類

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四季の森公園で6月15日に撮影した、昆虫類を紹介します。

イメージ 1
街中でもよく見かけることの出来るセマダラコガネ。
園内の何ヶ所かで見ることが出来た。

コガネムシ科

セマダラコガネ Blitopertha  orientalis  (Waterhouse,1875)
国内分布:北海道・本州・四国・九州
国外分布:北アメリカ

北アメリカの分布は、人為的な持ち込みの可能性が高いと思われる。

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ハムシダマシ、これも各地で普通に見られるが、少し樹林が残ったところに多い。
河川敷などでは、よく似たニセハムシダマシが見られるが、この種類と混じってみられることも多い。

ゴミムシダマシ科ハムシダマシ亜科

ハムシダマシ Lagria  rufipennis  Marseul,1876
国内分布:北海道・本州・四国・九州・礼文島・奥尻島・屋久島
国外分布:樺太

この仲間は、以前はハムシダマシ科とされていたが、最近はゴミムシダマシ科の亜科にされることが多い。

イメージ 3
ヒメヒゲナガカミキリ、各種の伐採木や伐採枝に普通に見られる。
地域的な変異がある種類で、四国・九州など、それぞれ別亜種とされている。

カミキリムシ科フトカミキリムシ亜科

ヒメヒゲナガカミキリ Monochamus  subfasciatus  subfasciatus  (Bates,1873)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・奥尻島・佐渡・隠岐・対馬・壱岐・伊豆大島・淡路島・平戸島・天草諸島・下甑島
四国、九州(天草・下甑を含む)はそれぞれ別亜種とされる。

イメージ 4
スジモンヒトリ幼虫、平地に分布するヒトリガ科では、幼虫をよく見かける種類。
これは若齢の個体で、終齢近くなると、かなり雰囲気が変わってしまう。

ヒトリガ科

スジモンヒトリ原亜種 Spilarctia  seriatopunctata  seriatopunctata  (Motschulsky,1861)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬・屋久島・奄美大島
食草:クワ・ケヤキ・サクラ
成虫出現期:4月-9月

イメージ 5
シラホシコヤガの蛹、羽化後の脱け殻だが、繭は幼虫の見つかるような場所に良く付いている。
幼虫は、食草である地衣類を体に貼り付けているので、馴れないと見つけにくい。

移動する時はシャクトリ虫型の動きをする。

ヤガ科

シラホシコヤガ Enispa  bimaculata  (Staudinger,1892)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・奄美大島・徳之島・沖縄本島
食草:地衣類
成虫出現期:6月-7月

イメージ 6
ナシケンモンの若齢幼虫、シャチホコのような姿勢をしていることが多く、ヤガの幼虫の中では分かりやすい種類。
これは若齢幼虫で、体長1cm.ほど。

体の色が、赤褐色と黒色のものとが見られる。

ナシケンモン Viminia  rumicis  (Linnaeus,1758)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬・屋久島
食草:ナシ・サクラ・スモモ・アブラナ・マメ・サクラタデ・ボントクタデ・ハナタデ・オオケタデ・イヌタデ・ギシギシ・ヤナギ・ポプラ・タチアオイ・ヨモギ・キショウブ
成虫出現期:5月-9月

イメージ 7

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炭焼き小屋の近くで見つけたモモブトスカシバ。
スカシバガの仲間は、姿も飛び方も、ハチにそっくりなものが多いが、なかなか見つけにくいグループで、横浜周辺で毎年必ず見つかるのはこの種類だけ。

スカシバガ科

モモブトスカシバ Macroscelesia  japona  (Hampson,1919)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬・奄美大島
食草:アマチャヅル
成虫出現期:6月-8月

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フタナミトビヒメシャクの幼虫、かなり小型の種類だが、非常に細長くて、頭部が蛇の模様に似ているので見分けやすい。
刺激を与えると、写真の姿勢で固まってしまう。

シャクガ科

フタナミトビヒメシャク Pylargosceles  steganioides  steganioides  (Butler,1878)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬・種子島・屋久島
国外分布:朝鮮半島・中国
食草:バラ・オランダイチゴ・シュウカイドウ・イノコズチ・トコロ・ニガナ・ヤマボウシ・ミゾソバ・カタバミ・ホトトギス・ノイバラ・ヤマハギ・キク・ムクゲ・カンキツ
成虫出現期:4月-5月・7月-8月

食性は非常に広いようだ。

イメージ 10
タデマルカメムシ、クズの葉に普通に見られるマルカメムシに似ているが、本種は一回り小型で、体の色が黒いので簡単に見分けられる。

普通種だが、目に付く機会はあまり多くない。

マルカメムシ科

タデマルカメムシ Coptosoma  parvipictum  Montandon,1893
国内分布:本州・四国・九州
国外分布:朝鮮半島南部・済州島・中国
食草:サクラタデ・イヌタデ・ミゾソバ・ママコノシリヌグイ
成虫出現期:4月-10月

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アカサシガメ、全体が鈍い赤で、簡単に見分けられる種類。
四季の森公園で見られるサシガメの仲間では、わりと多い種類。

時期によっては、園内各所で普通に見つかる。

この仲間は、種類にかかわらず、捕まえ方を間違えると痛い目に合うこともある。

サシガメ科

アカサシガメ Cydnocoris  russatus  Stal,1866
国内分布:本州・四国・九州・対馬
国外分布:中国・東南アジア
成虫出現期:4月-6月

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ヨコジマオオハリバエ、特徴的な色彩の大型のハエで、見分けるのは難しくはない。
時に市街地でも見かけることがある。

かなり普通に見られる。

ヤドリバエ科

ヨコジマオオハリバエ Tachina  jakovlevi  (Portschinsky,1882)
国内分布:北海道・本州・四国・九州
成虫出現期:6月-9月

イメージ 13
ヒラヤマシマバエ、小型のハエだが赤くて目立つ複眼と、翅のもようが特徴的なので、簡単に見分けられる。
林のへりなどで、草の葉などに止まっているのを見ることが出来る。

個体数は多い。

シマバエ科

ヒラヤマシマバエ Homoneura  hirayamae  (Matsumura,1916)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・南西諸島
成虫出現期:4月-11月

イメージ 14
キオビツチバチ、最近、市街地で最も良く見かけるツチバチ。
コガネムシの幼虫に寄生するようなので、アオドウガネに関連して、個体数が増えているようだ。

良好な林地があるところよりも、人工的な環境の方が個体数が多いように思う。

ツチバチ科

キオビツチバチ Scolia  oculata  (Matsumura,1911)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・屋久島
国外分布:朝鮮半島・中国(華北)・台湾
食性:幼虫はコガネムシ類の幼虫に寄生
成虫出現期:6月-10月

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イメージ 16
ミカドアリバチ、日本産のアリバチの仲間ではもっとも大型の種類。
マルハナバチ類の巣に寄生する。

園内でよく見られるマルハナバチは、コマルハナバチとトラマルハナバチなので、これらの種類が主な寄主なのだろう。

ちびっ子広場から、ピクニック広場方向へ降りて行く途中で、階段の斜面を歩いていたもの。

アリバチ科

ミカドアリバチ Mutilla  europaea  mikado  Cameron,1900
国内分布:北海道・本州・四国・九州
国外分布:朝鮮半島・中国・シベリア
食性:幼虫はマルハナバチ類の幼虫に寄生
成虫出現期:4月-10月

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オオチャタテ、幼虫が、良く集団を作っているのを見かける。
これもほとんど幼虫だが、2-3頭の成虫が混じっている。

ケヤキやシイ・カシ類などの、比較的太い木の幹で見つかる。
集団の大きさは、直径数cm.ほど。

チャタテムシ科

オオチャタテ Psococerastis  nubila  (Enderlein,1906)
国内分布:北海道・本州・四国・九州
食草:地衣類・菌類

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炭焼き小屋の奥で見つけた、ヤマトシリアゲの交尾個体。
♀はアザミの葉の上の、餌を食べている。

餌に惹かれてやってきた♀が、食事をしている隙に交尾に至ることが多いようだ。

園内では、樹林地の下草に非常に多い。

シリアゲムシ科

ヤマトシリアゲ Panorpa  japonica  Thunberg,1784
国内分布:北海道南部・本州・四国・九州
成虫出現期:4月-5月・7月-9月
食性:成虫は小動物・昆虫などの死骸、時に腐敗した植物質など。幼虫は土中に生息し、土壌生物などを補食する。

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コチャイロヨコバイ、よく似た種類に、一回り大きなチャイロヨコバイというのがいるようだ。
色彩が特徴的なので、比較的すぐに種名が判明した。

ヨコバイの類は、敏捷なものが多く、ちょっと震動を与えると、あっという間に消えてしまうことが多く、なかなか種類が増えてこない。

次回は、この日に撮影した変形菌類を紹介します。

四季の森公園の変形菌類

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6月15日に、緑区四季の森公園で撮影した、変形菌類です。

以前に紹介したものと、同じ種類ばかりですが。

イメージ 1

イメージ 2
マメホコリの未熟な子実体。
成熟すると茶褐色の、乾燥した感じになる。

使用しているレンズが、マイクロフォーサーズの60mm等倍マクロ(35mm換算で2倍相当)なので、このくらいのサイズのものはOKだが、ほとんどの種類が1mm以下なので、ちょっときついかな。

普通に見られる種類の内の一種。

イメージ 3

イメージ 4
ツノホコリ、何種類かあるバリエーションの内、エダナシツノホコリと呼ばれるもの。
真っ白くて、塊になって生えるので、もっとも見つけやすい。

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これもツノホコリのバリエーションの一つで、タマツノホコリという型。
同じ種類とされているが、研究者によっては別種と考える人もいるようだ。

前の写真と同じ場所で見つけたので、微妙な気象条件で、こんな形になるのかも知れない。

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イメージ 7
ウツボホコリ類の一種、横浜付近で見つかるこのグループでは、もっとも普通の種類。

種名は確定できていない。

綿アメのようにふわふわした感じが面白い。

ここでは見つからなかったが、この仲間の変形菌には、変形菌を食べるヒメキノコムシ科の甲虫が良く見られる。

イメージ 8

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モジホコリの仲間と思われる、子実体が銀色をしている。
非常に小さくて、撮影するのに、ほとんど限界に近い。
もっとも、腕のせいかもしれないが。

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最後におまけで、きれいな小型のキノコ。
傘の直径は数mm、マメホコリを除く4種の変形菌が見つかった場所で撮影。

きれいだったので、久しぶりにキノコを撮影した。

上北郡横浜町のベニモンマダラ

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先日、仕事で下北半島へ行った際に、宿泊した宿の周辺で、ベニモンマダラを撮影したので紹介します。

初日は宿泊先の敷地内で、灯火に飛来した蛾類を撮影しただけ。
翌日の朝、周辺を散策してみたところ。

イメージ 1
マメ科の草本を見つけた。
この時はクサフジだと思っていて、実際はツルフジバカマ。

この日はベニシジミやセマダラコガネなど、普通種を撮影しただけで終わった。

翌日の朝再び散策。

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道脇のオオアワダチソウに、小型だがかなり目立つ蛾を発見。
久しぶりに見つけたベニモンマダラ。

イメージ 3
あたりを探すと、枯れたススキの茎に止まっている個体を、何頭か見つけた。

以前、宮守村の河川草地で、本種とヒメシロチョウが飛んでいるのを見かけたことがあるので、ヒメシロチョウもいるのではと思っていた。

足下から、小型のシロチョウが飛び出し、付近の藪に降りるのが見えた。

近づいてみると。

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やはりヒメシロチョウ。

食草が同じツルフジバカマなので、セットで見られることも多い。
ヒメシロチョウは、残念ながら2コマ撮影したところで、飛び去ってしまった。

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ベニモンマダラは、帰りがけにも複数個体を見つけられた。

仕事が一段落して、宿に戻った夕方にも、付近を散策。

イメージ 6
最初に見つけたオオアワダチソウ付近で、交尾個体を発見。

イメージ 7
更に、ややすれた個体ながら、セリ科の花に来ているものもあった。

イメージ 8

イメージ 9
更に周辺を探してみると、車道沿いにも1個所だけだったが、かなり密度の濃いところが見つかった。

イメージ 10
翌日の朝は、昨日の午後に見つけた場所が近かったので、そちらに行ってみた。
食草のツルフジバカマに止まっている個体が見つかったので、早速これを撮影。

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2頭が盛んに追いかけあっている現場も撮影。
交尾前の行動なのか、翅の裏面が真っ赤なのも確認できた。

腹部にも赤い部分があって、いかにも毒を持っていそうな雰囲気がある。

イメージ 12

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これは羽化不全と思われる個体。
それぞれ別個体だが、この他にも、交尾個体の一方が、羽化不全と思われるのも見ている。

意外と、羽化に失敗する確率が高いのかも知れない。

ヒメシロチョウは、追加個体を撮影したかったが、何頭か目撃したものの、飛んでいるものばかりで、追加撮影は出来なかった。

マダラガ科

ベニモンマダラ原亜種 Zygaena  niphona  niphona  Butler,1877
分布:本州
食草:クサフジ
成虫出現期:7月-8月

四季の森公園6月28日

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6月28日、緑区四季の森公園を散策した際に、撮影した昆虫類です。

イメージ 1
北門近くにある、池の畔で撮影。
散策を始めて間もなく、付近の葉上に静止している個体を撮影。
ずっと翅を開いていた。
この公園では毎回見かける種類。

イメージ 2
ベニシジミ、ごく普通に見られる。
各種の花を訪れるので良い被写体になる。

イメージ 3
ヤマトシジミ、これもごく普通に見られる。
順番が前後するが、帰りがけに道沿いで見かけたもの。

イメージ 4
テングチョウ、この公園では、かなり多くの個体数が見られる。
ここ数年で、非常に個体数が増えてきた。

かなり新鮮な個体。

タテハチョウ科テングチョウ亜科

テングチョウ Libythea  celtis  (Laicharting,1782)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・屋久島・奄美大島・沖縄本島・石垣島・西表島
国外分布:朝鮮半島・台湾
食草:エノキ・リュウキュウエノキ
成虫出現期:6月-7月

成虫で越冬、発生は年1-2化。盛夏には休眠するといわれている。
奄美大島以西の南西諸島産は、別亜種とされる。

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ヤネホソバの幼虫、食草は地衣類だが、クズの葉上にみられた。
移動中の個体と思われた。

ヒトリガ科

ヤネホソバ Eilema  fuscodorsalis  (Matsumura,1930)
国内分布:本州・四国・九州・対馬・屋久島・奄美大島・西表島
国外分布:中国
食草:地衣類
成虫出現期:4月-9月

イメージ 6
カノコガ、夜行性の種類が多い蛾類の中で、比較的昼行性の傾向が強い。
葉裏に止まっているのを見ることが多いが、早朝には盛んに飛び回っているのを見ることが出来る。

カノコガ Amata  fortunei  fortunei  (Orza,1869)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬
国外分布:朝鮮・中国
食草:キク科
成虫出現期:6月・8月

イメージ 7
ホシオビコケガ、今まで、この公園では見たことがなかったが、花菖蒲園付近で何頭か見かけた。
新鮮な個体が多かったので、発生期に当たっていたと思う。

小型のヒトリガ。

ホシオビコケガ Aemene  altaica  (Lederer,1855)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬・屋久島
国外分布:シベリア・朝鮮・アルタイ
食草:地衣類
成虫出現期:5月-6月・8月-10月

イメージ 8
体長1cm.ほどの小型の個体で、おそらくタケカレハの若齢幼虫だと思っているが確定的ではない。
池の奥のヨシ原の手前付近で見つけたもの。

この付近では、今まで何頭かの幼虫を見ている。

カレハガ科

タケカレハ Euthrix  albomaculata  directa  (Swinhoe,1892)
国内分布:北海道・本州・四国・九州
食草:タケ・ササ・クマザサ・ススキ・ヨシ
成虫出現期:5月-6月・9月-10月

イメージ 9
ヨシ原付近で、クヌギの樹幹に静止していたもの。
蛾類のサイトで、ヒメハナマガリアツバではというコメントをもらった。
画像検索してみたが、同種と思われる画像は一つだけ。

とりあえず、この種の幼虫としておく。
このグループであることは、確実なように思う。

ヤガ科

ヒメハナマガリアツバ Hadennia  nakatanii  Owada,1979
国内分布:本州・四国・九州・対馬・屋久島
食草:不明
成虫出現期:6月-10月

イメージ 11
シラホシコヤガと思われる蛹、幼虫と同様に地衣類の破片で、カモフラージュを施している。
このクヌギでは、以前に幼虫を見つけたことがある。

イメージ 10
体長数mmの、微少なサシガメ類の若齢幼虫。

画像検索してみたところ、オオトビサシガメの幼虫によく似ていた。
横浜付近では成虫は見ていないので、確定は出来ないが、とりあえず本種としておく。

サシガメ科

オオトビサシガメ Isyndus  obscurus  (Dallas,1850)
国内分布:本州・四国・九州
成虫出現期:4月-11月

イメージ 12
クサギカメムシの若齢幼虫の小集団。
カメムシ類の幼虫は、2齢以後は大きさが異なるだけで、同じ様な体色のものが多いが、初齢はかなり異なるものが多く見られる。

カメムシ科

クサギカメムシ Halyomorpha  halys  St?l,1855
国内分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄本島・石垣島・西表島
国外分布:朝鮮半島・中国・台湾
食草:マツ・イチイ・スギ・サクラ・キリなど、成虫は各種植物を広く加害し、果樹などの害虫とされることもある。
成虫出現期:4月-11月、成虫で越冬。

イメージ 13
コガシラアワフキ、この公園でも、ごく普通に見られる種類だが、今まで撮影できなかったもの。
レンズを向けると、かなり敏感に反応する。

コガシラアワフキ科

コガシラアワフキ Eoscartopis  assimilis  (Uhler,1896)
国内分布:北海道・本州・四国・九州
成虫出現期:6月-8月

イメージ 14
フキバッタ類の幼虫、横浜ではこの仲間は翅の長めのヤマトフキバッタしか見ていないので、この種類の幼虫だと思っているもの。
確定的ではない。

個体数はあまり多くない様に思う。

バッタ科

ヤマトフキバッタ Parapodisma  setouchiensis  Inoue,1979
国内分布:本州・四国・九州
成虫出現期:7月-9月
食草:フキなどの草本類。

イメージ 15
ヤブキリ、大型のキリギリス科の種類で、幼虫・成虫ともによく見かける。
近づいてもあまり逃げないことが多いので、撮影はしやすい。

ヨシ原横の道沿いで見つけた。

分類的には、問題を含んだグループのようだ。

キリギリス科

ヤブキリ Tettigonia  orientalis  Uvarov,1924
国内分布:本州・四国・九州
成虫出現期:6月-9月
他の昆虫類を補食する。

イメージ 16
ナガゴマフカミキリ、幼虫が枯れ木を食するので、通常は枯れ木にいることが多いが、この個体はクヌギの生木に止まっていたもの。
場所が気に入らないためか、落ち着かないようで、しきりに動き回っていた。

意外と敏感で、撮影しようと近づくと、落下して見失ってしまうことが良くある。

カミキリムシ科

ナガゴマフカミキリ Mesosa  longipennis  Bates,1873
国内分布:北海道・本州・四国・九州・奥尻島・飛島・佐渡・冠島・隠岐・壱岐・式根島・淡路島・小豆島・福江島・種子島・屋久島・大隅黒島・口永良部島・奄美大島
ラミーカミキリ Paraglenea  fortunei  (Saunders,1853)
国内分布:本州・四国・九州・淡路島・平戸島・天草諸島
国外分布:中国・トンキン

イメージ 17
ラミーカミキリ、北門近くの池の法面に生えている、タチアオイで発生していると思われる。
通常はムクゲ・カラムシなどが主な食草で、成虫もこれらの生葉を後食する。

タチアオイに着いている個体は、他では見たことがないが、葉裏にこの種類の後食跡が見られる。

イメージ 18
獲物を捕らえたシオヤアブの♀。
獲物を確認しようと思って近づいてみたが、撮影前に逃げられてしまったので、獲物の種類は不明。

画像を拡大してみたが、トウキョウヒメハンミョウのような気がしている。

ムシヒキアブ科

シオヤアブ Promachus  yesonicus  (Bigot,1887)
国内分布:北海道・本州・四国・九州
成虫出現期:6月-9月
幼虫は土中や朽木の中に生息、他の昆虫類を補食する。

以前に豊島区の雑司ヶ谷霊園で、偶然、蛹から羽化する場面を撮影できたことがあった。

イメージ 19
あまり見かけない、小型のアシナガムシヒキだったので、帰宅後、画像検索してみたところ、サッポロアシナガムシヒキらしいことが判明。
初めて見る種類だった。

サッポロアシナガムシヒキ Molobratia  sapporensis  (Matsumura,1916)
国内分布:北海道・本州・四国・九州

イメージ 20
アシ原に沿った木道沿いの、サクラの葉に付いていたハバチの幼虫。
チュウレンジハバチの仲間のようだが、サクラに着く他の種類とは一致しない。

何頭も付いていて、そろって体の色は褐色だが、褐色の体色を持つチュウレジハバチの幼虫は見つからなかった。

イメージ 21
最後に久しぶりに撮ったキノコ、コケの中に生えていたアンズタケ。
いくつもかたまって生えていることが多い種類だが、一つだけ生えていた。

カサの裏側に、キノコバエの仲間のように見える虫が付いている。

富士山周辺散策:7月14日

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7月14日に、富士山周辺を散策した折のことを、3回に分けて紹介します。
今回は、久しぶりに風景などを紹介します。

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3
富士林道から見た富士山。
高いだけあって、一部に雪が見える。

当日は晴れすぎるほどに晴れて、わずかに雲でもかかっていたらと思うほどの晴天。

当地の気温は23℃前後だったが、関東では38℃を超えたところもあったようだ。

イメージ 4
富士林道は、乾燥のためか昆虫類が少なく、午後からは朝霧高原へまわった。

昆虫類はこちらの方が、種類数も個体数も多かったが、5時頃になって雲行きが怪しくなったので引きあげることにした。

自動車を走らせ始めて、10分もしないうちに強烈な豪雨に。

出発が5分遅れていれば、カメラごと雨をかぶるタイミングになるところだった。

イメージ 5
山の写真はほんの少しだけなので、キノコ類を何枚か。
大室山周辺で、苔むした倒木に生えていたマメザヤタケ。

一見すると冬虫夏草風の怪しげな雰囲気がただよう。

イメージ 6
これも大室山で撮影。

良くコケの中に生えている、非常に小型のキノコ。
カサの直径は数mm以下。

名前は判らないが、きれいなので撮影してしまう。

この時も周辺にいくつか見られた。

イメージ 7
これはキノコではなく、変形菌類のムラサキホコリの仲間。

若い時はアメーバのように動き回ってキノコ類を食べ、成熟するとキノコ類やカビ類のように胞子を作る、非常に変わった生物だ。

湿った朽木に多く見られ、時に同じ場所で、何種類も混じって見つかることも多い。

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朝霧高原で見つけたドクウツギの実。
きれいというよりもどぎつい感じで、いかにも毒草の雰囲気がただよう。

かなりの強さの毒を持つようで、死亡例などもあるらしい。

次回からは、昆虫類を2度に分けて紹介します。

7月14日:富士山周辺の蛾類

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7月14日に撮影した蛾類の写真を紹介します。

イメージ 1
キマダラツマキリエダシャク、鳴沢林道の一角で、多数の本種が地面に降りて吸水をしていた。
ほとんどがこの種類だったが、他に数種類のシャクガ科が混じっていた。

地面に止まるものが多かったが、多くの個体がその周辺を舞っていた。

シャクガ科

キマダラツマキリエダシャク Zanclidia  testacea  (Butler,1881)
国内分布:北海道・本州・四国・九州
食草:ツルウメモドキ
成虫出現期:7月-8月

イメージ 2
ツマキシロナミシャク、前種の中に混じって、何頭かの本種が見られた。
各地に多い種類で、平地でもポツリポツリと見つかる。

ツマキシロナミシャク本州以南亜種 Gandaritis  whitelyi  leechi  (Inoue,1955)
国内分布:本州・四国・九州
国外分布:朝鮮半島
食草:サルナシ
成虫出現期:5月-6月

イメージ 3
ウスミズアオシャク、小型のアオシャクで、種名が判りにくいものの多い中で、特徴的な斑紋で分かりやすい種類。

前の2種と同じ場所で、道脇の下草に止まっていた。

ウスミズアオシャク Jodis  argutaria  (Walker,1866)
国内分布:本州・四国
国外分布:台湾・インド
食草:ミツバウツギ・ニワトコ・カツラ
成虫出現期:6月-7月

イメージ 4
これも同じ場所で見つけた、小型のアオシャク。
2本目の帯が前方に寄っているのが特徴的だったので、種名が判るかと思っていたが、結局は未だ判明せず。

イメージ 5
ヒロオビトンボエダシャク、この仲間は3種ほどいるが、富士山周辺では本種と、ウメエダシャクしか見ていない。

このあたりのウメエダシャクは撮影できていないが、平地のものに較べてかなり小型の個体が多い。

ヒロオビトンボエダシャク Cystidia  truncangulata  Wehrli,1933
国内分布:北海道・本州・四国・九州・対馬・屋久島
国外分布:朝鮮半島・中国
食草:ツルウメモドキ・マユミ
成虫出現期:6月-8月

イメージ 6
ウツギヒメハマキ、同じ場所にいたヒメハマキガ。
特徴的な色彩で、名前が判りそうだったので撮影。
帰宅後Web検索で、簡単に種名が出てきた。

ハマキガ科

ウツギヒメハマキ Olethreutes  electanus  (Kennel,1901)
国内分布:本州・四国・九州
国外分布:ウスリー・中国
食草:ウツギ類
成虫出現期:5月-7月

イメージ 7
ヨシカレハの幼虫、午後から朝霧高原へ移動。
草地のススキの枯れた茎に止まっていたもの。

やや小さめの個体だったので、まだ終齢ではないと思われた。

カレハガ科

ヨシカレハ Euthrix  potatoria  bergmani  (Bryk,1941)
国内分布:北海道・本州・四国・九州
食草:ヨシ・クマザサ・ススキ
成虫出現期:7月-8月

イメージ 8
オビガの幼虫、朝霧高原で撮影。
通常は褐色の長毛が、白かったので撮影した。

2頭いて、どちらの個体も白い毛が生えていた。

各地で普通に見られる。

オビガ科

オビガ Apha  aequalis  (Felder,1874)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・屋久島
国外分布:中国
食草:ハコネウツギ・ニシキウツギ・スイカズラ・ツクシヤブウツギ・キダチニンドウ・タニワタリノキ
成虫出現期:6月・8月-9月

イメージ 9
コキマダラセセリ、富士山周辺の草地では、どこでも普通に見られるセセリチョウ。
平地で見られるキマダラセセリなどと較べると一回り大型で、飛んでいる時もかなり赤っぽく見える。

セセリチョウ科

コキマダラセセリ Ochlodes  venatus  venatus  (Bremer et Grey,1852)
国内分布:北海道・本州・利尻島・奥尻島・礼文島
国外分布:ユーラシア大陸北部
食草:イネ科・クマザサ・ホシモンスゲ
成虫出現期:6月-8月

イメージ 10
ホシミスジ、朝霧高原のあたりでは、シモツケがかなり見られるせいか本種をよく見かける。

すれた状態に、かなりばらつきがあるので、継続的に発生しているのかも知れない。

タテハチョウ科イチモンジチョウ亜科

ホシミスジ Neptis  pryeri  Butler,1871
国内分布:本州・四国・九州
国外分布:台湾・朝鮮半島・中国
食草:コデマリ・ユキヤナギ・カエデ・シモツケ
成虫出現期:5月-10月

次回は、蝶蛾類以外の昆虫を紹介します。

富士山7月14日の昆虫類

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富士山の3回目で、残りの昆虫類を紹介します。

イメージ 1
オオチャイロハナムグリ、大室山周辺で見つけたもの。
日本産のコガネムシ類の中でも、大型の種類。

洞のあるスギの大径木の、幹に止まって♀を誘引していると思われる個体。
木の状態が良ければ、広葉樹・針葉樹を問わずに発生するらしい。

コガネムシ科

オオチャイロハナムグリ Osmoderma  opicum  Lewis,1887
国内分布:本州・四国・九州・屋久島

イメージ 11
セマダラコガネ、朝霧高原で撮影。
体色の変異が激しい種類で、写真のように黒色で金属光沢のあるものから、全く黄褐色でわずかに黒紋が残る個体まで変化する。

平地から山地まで広く生息し、キク科の花やイタドリ類の葉上などに多数みられる。

イメージ 2
ウンモンテントウ、やや大型のテントウムシで、山地性の傾向がある。
この日は鳴沢林道の一角で、何頭か見かけたので、ちょうど発生期に当たっていたものと思う。

撮影したのはイケマの葉上に止まっていた個体。

テントウムシ科

ウンモンテントウ Anatis  halonis  Lewis,1896
国内分布:北海道・本州・四国・九州
国外分布:シベリア・千島列島

イメージ 3
スナゴミムシダマシ、鳴沢林道で撮影。
もともと平地性の種と思われるので、本来の生息地ではなく、道路工事などの土によって持ち込まれた可能性がある。

場所は林内だが、林道からあまり離れてはいない。

ゴミムシダマシ科

スナゴミムシダマシ Gonocephalum  japanum  Motschulsky,1860
国内分布:北海道・本州・四国・九州・粟島・佐渡・隠岐・対馬・八丈島
国外分布:中国

イメージ 4
チャイロヒメハナカミキリ、鳴沢林道の道脇で、イケマの葉上に止まっていた個体。
花に来ようとしていたものだろうと思う。

低山地から山地帯にかけて生息する種類で、花上に普通に見られる。

カミキリムシ科

チャイロヒメハナカミキリ Pidonia  aegrota  aegrota  (Bates,1884)
国内分布:本州・四国・九州・佐渡・隠岐・平戸島・天草諸島・甑島

イメージ 5
ムネアカクロハナカミキリ、よく似た種類にクロハナカミキリがあるが、標高が低い場所なのでムネアカクロハナカミキリだと思う。
鳴沢林道で撮影したもの、♀の前胸が赤くなるので、この和名がある。

ムネアカクロハナカミキリ Leptura  dimorpha  Bates,1873
国内分布:北海道・本州・四国・九州・佐渡・淡路島・小豆島・福江島
国外分布:シベリア・樺太・朝鮮半島

イメージ 6
ヘリグロベニカミキリ、大室山の林内で撮影したもの。
ベニカミキリと較べて、やや赤味が強く、上翅後半部に一対の円形の黒紋がある。
前胸背の腹面が黒いのも特徴。

ベニカミキリと較べてやや山地性の傾向がある。

ヘリグロベニカミキリ Purpuricenus  spectabilis  Motschulsky,1857
国内分布:北海道・本州・四国・九州・利尻島・奥尻島・佐渡・隠岐・対馬・淡路島・福江島・平戸島・種子島・屋久島
国外分布:朝鮮半島・中国

イメージ 7
ニセビロウドカミキリ、大室山の林道入口で撮影。
本種としてもかなり小型の個体。
ビロウドカミキリなどと共に、体長の変化が大きい。

ニセビロウドカミキリ Acalolepta  sejuncta  sejuncta  (Bates,1873)
国内分布:北海道・本州・四国・九州・飛島・佐渡・隠岐・伊豆大島・豊島・淡路島・小豆島・高知沖ノ島・種子島・屋久島・口永良部島

イメージ 8
ニセシラホシカミキリ、朝霧高原で撮影。
サワフタギなどの葉に線状の食痕を付ける。

高尾山などではツバキの葉も後食する。
低山地から山地帯にかけて見られるが、西日本では平地に産することもある。

ニセシラホシカミキリ Pareutetrapha  simulans  (Bates,1873)
国内分布:本州・四国・九州・淡路島・平戸島・下甑島

イメージ 9
ドロハマキチョッキリ、朝霧高原で撮影。
体色の変化が大きい種類だが、このあたりでは写真のような、肩の部分に赤味が強く出るベニボシ型が良く見られる。

オトシブミ科

ドロハマキチョッキリ Byctiscus  puberulus  (Motschulsky,1860)
国内分布:北海道・本州
国外分布:樺太・シベリア

イメージ 10
ヒメキノコムシの一種、ススホコリ類の変形菌に集まっている。
大室山の入口付近で撮影。
体型がやや細長いので、ツヤヒメキノコムシかクリイロヒメキノコムシのどちらかと思われる。

ヒメキノコムシ科の甲虫類は、すべて変形菌類を食する。

イメージ 12
エゾハルゼミ、朝霧高原で下草に止まっていたものを撮影。
山地性のセミの仲間では、最も早く出現し、長い期間にわたって見られる。
個体数も多く、木の高いところにでよく鳴いているが、林床の下草の上に多数止まっているのを見かけることもある。

セミ科

エゾハルゼミ Terpnosia  nigricosta  (Motschulsky,1866)
国内分布:北海道・本州・四国・九州
国外分布:中国
成虫出現期:5月下旬-7月

イメージ 13
テングアワフキ、朝霧高原で撮影。
富士山周辺では、草地環境に多い種類で、アザミなどキク科の茎の部分に止まっているのをよく見かける。
写真のような黒みがかったものと、黄褐色の地色のものが見られる。

普通種だが、形が面白いので、見つけると必ず撮影する種類。

アワフキムシ科

テングアワフキ Philagra  albinotata  Uhler,1896
国内分布:本州・四国・九州
成虫出現期:6月-8月

イメージ 14
アシナガムシヒキ、朝霧高原で撮影。
丘陵地から山地帯まで見られるが、肢の色が黒いものと黄褐色のものがあるので、同じ種類なのか何種か混じっているのかは不明。

ムシヒキアブ科

アシナガムシヒキ Molobratia  japonica  (Bigot,1878)
国内分布:本州・四国・九州

イメージ 15
ミツクリハバチ、体にロウ状の物質をまとったハバチの幼虫は何種かあるが、ヤマハンノキを食草としていたので、この種名で同定した。

分布や成虫の出現期など、詳細な資料が見つからなかった。

マルハバチ科

ミツクリハバチ Eriocampa  mitsukurii  Rohwer,1910

イメージ 16
コアシナガバチ、よく似た種類にキボシアシナガバチがあるが、巣の入口付近が黄色みを帯びるので、巣だけでも種名が判る。

本種の巣は、大きくなると一方に反り返ったようになり、大型のものでは20cm.を超えるようなものもある。
特に大型の巣は、反り返った部分が、不規則につなぎ合わされたような形になる。

写真の巣はごく初期のもの。

スズメバチ科

コアシナガバチ Polistes  snelleni  (de Saussure,1862)
国内分布:日本全土
国外分布:朝鮮半島・中国

イメージ 17
オオアオイトトンボ、朝霧高原で撮影。
背の低い灌木を交えた草地の中に、人工の池と思われるものがあり、水辺の草などに止まっているのをよく見かける。

これは羽化直後のもので、色が良く出ていないので、アオイトトンボと紛らわしいが、ここでは本種しか見たことがないのでオオアオイトトンボとしておく。

アオイトトンボ科

オオアオイトトンボ Lestes  temporalis  Selys,1883
国内分布:北海道・本州・四国・九州

花火大会2題

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今回は8月15日の、大田区六郷土手の花火大会と、8月22日の鶴見川花火大会の画像を紹介します。

六郷土手の花火大会は、打上げ数約5,000発、鶴見川花火大会は1,200発。

六郷土手では、カメラに入っている、ライブコンポジット機能を使ってみました。

イメージ 1
始めに六郷土手の方から。

ライブコンポジットは、結果をモニタで見ながら、露出時間の調整が出来るので便利だが、ちょっと欲張りすぎて失敗した写真が多かった。

それと、1カットごとに、ノイズリダクション用の画像を撮影しなければならないのが、かなり煩わしい感じがした。

イメージ 2

イメージ 3
こちらの方がお金がかかっているので、視覚効果の点で面白い花火が多い。
多摩川の河原がかなり広いので、それなりの大玉も含まれていて見応えはある。

ただ、行き帰りが、京浜急行の六郷土手駅が、こういったイベントに対応しているような、大きな駅ではないので、改札口を出るにしてもかなり苦労した。

イメージ 4

イメージ 5
露出時間を短く設定できるので(最短0.5秒まで)、スローシャッターで撮るよりも、背景が明るくなりにくく、花火自体はきれいに撮れる。

イメージ 6

イメージ 7
結局、帰りは六郷橋をわたって、歩いて帰宅した。

撮影場所が風下に当たってしまったので、打上げ場所と撮影場所の間に、煙が挟み込まれるような形になって、部分的に花火が隠れてしまうような場面もあった。

続いて鶴見川花火大会の分。

こちらは、バルブ露出のスローシャッターで撮ってみた。

カメラはどちらもオリンパスOM-D E-M1、12-40mm.F2.8Pro。

こちらはマイナーな大会なので、会場から少し離れた場所では、打上げ間際でも十分に場所取りが出来る。
帰りもいつも通りの気軽さ。

イメージ 8
場所は鶴見川橋の下流、京浜急行の鉄橋のすぐ上流。

スローシャッターだと、背景の空が明るくなりがちなので、感度をLow(ISO100)に設定。
絞りはF8。

イメージ 9

イメージ 10
1枚目の写真で判るように、打上げ場所の周辺が住宅密集地域なので、大玉は上げられないので、被写体を花火そのものに限定した。

イメージ 11
それでも欲張りすぎて失敗したものも多い。
アップで撮る場合は、二つか三つぐらいで止めておいた方が良さそう。

イメージ 12
これはわりと気に入っているもの。
少しトリミングあり。

イメージ 13
やや欲張り気味でも、重なり合わなかったのでまあまあ。

イメージ 14
最後の打上げ、他の花火大会と較べると、かなり地味だが、それなりに楽しめました。

このあとは近所のスーパーで買い物をして帰宅。

富士林道からの雲海

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8月18日に、車を出してもらって、本栖高原・朝霧高原・富士林道をまわってきました。
昆虫の写真を撮りに行ったのですが、夕方、帰り道で見た雲海がきれいだったので紹介します。

富士林道の奥で、6時頃まで昆虫を探し、帰るべく高速方面へ林道を下って行く途中で、夕焼けを背景にした雲海を見て、車を止めてもらってしばらく撮影。

イメージ 1
富士林道の終点が1,400m前後だと思われるので、それよりもかなり下った地点から見た雲海。
撮影地点は1,000mほどかなと思っていて、雲海はそれよりもかなり下方にある。

雲海というよりも、非常に濃い霧といったほうが良い高さに見える。

もちろん、今までも何度か通っているが、ここから雲海が見えたことはない。

イメージ 2
山の上にかゝった、斜めの筋状の雲の赤味がきれいだったので、撮影の準備にかなり焦った。

イメージ 3

レンズをマクロ60mmから、12-40mmのズームに切り替えての撮影。

イメージ 4

イメージ 5
細い月も出ていたので、記念に1枚撮影。

イメージ 6
帰る前に、車を止めた地点から、何十mか歩いて下ったところ、こちらの方が見晴らしがよいことが判明してしまった。
夕焼けはかなり色があせてしまったが、とりあえず雲海を撮影。

多分15-20分ほどの撮影だった。

当日撮影した昆虫類は、あらためて紹介したいと思います。
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