最近、西日本でしか見たことの無かった、ヒメクダマキモドキを戸塚区の舞岡公園で撮影する機会があり、県内の分布などを多少調べてみた。
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長崎市内で撮影したヒメクダマキモドキの♀。
こちらは大阪府堺市の沿岸部の公園で撮影した、ヒメクダマキモドキの♀。
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11月29日に舞岡公園を散策したおりに撮影した、2頭の♀。
こちらは前種に較べ、かなり大型のサトクダマキモドキ。
これは秋ヶ瀬公園で今年撮影した、サトクダマキモドキの産卵痕。
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これは、11月21日に緑区四季の森公園で撮影したもの。
2013年8月4日に、緑区四季の森公園で撮影したヤマクダマキモドキ。
それに関連して、撮影したクダマキモドキ類3種の画像を紹介します。
傾斜地のアカメガシワのひこばえの葉上にいた。
背中の黄色い線がはっきりした個体。
今まで、西日本では時折見かけていたが、関東では全く見たことがなかったので、殆ど分布していないのではないかと思っていた。
さすがにこの時期になってしまうと、♂はほとんど残っていないのかも知れない。
上の個体が谷戸部の遊歩道脇。
下の個体が管理棟近くで見つけたもの。
神奈川県の分布が気になったので、「神奈川昆虫誌」で調べたところ、「大磯町大磯(岸,2000)・中井町井ノ口七国峠(浜口,1999c;平塚市博物館,1999)」の2件が見つかった。
他に神奈川虫報で短報が2つ出ており、記録としてはそんなもののようだったが、ブログなど検索してみると、東京都などでは、場所によってかなり多いような記事がいくつか見つかった。
最近、何種かの昆虫類が、関東などで増加傾向が見られ、注目されているようだが、本種もその一つと思われた。
ツユムシ科
ヒメクダマキモドキ Phaulula macilenta Ichikawa,2004
国内分布:本州・四国・九州・伊豆諸島・小笠原父島・対馬・屋久島・種子島・南西諸島
国外分布:台湾
平野部に、広く分布するようで、都内の公園などでも見ることが出来る。
これは埼玉県の秋ヶ瀬公園で撮影したもの。
小指よりも細い位の、ひこばえ状の幹の部分に良く見られる。
残念ながら片側の後肢が欠けてしまっている。
産卵管の形状は、かなりの迫力がある。
サトクダマキモドキ Holochlora japonica Brunner von Wattenwyl,1878
国内分布:本州・四国・九州
撮影した当初はサトクダマキモドキだと思っていたが、見直してみると前肢の付け根付近が赤いので、ヤマクダマキモドキと気付いた。
神奈川昆虫誌を見ると、少ないながらも横浜市内の記録も見られたので、広く薄く分布するタイプなのかも知れない。
もっとも、この仲間は樹上性なので、目に付きにくいだけなのかも知れない。
人が近づいたりすると、飛んで逃げることが多い。
四季の森公園では2種生息しているので、産卵痕も見つかるが、今のところ区別出来ないでいる。
ヤマクダマキモドキ Holochlora longifissa Matsumura et Shiraki,1908
国内分布:本州・四国・九州