日本産のヒラタムシ科の中で、大型で赤い色をした種類が2種類ある。
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2枚ともベニヒラタムシ、同一個体で、北秋田市で撮影したもの。
こちらはエゾベニヒラタムシで富士山麓で採集したもの。
ベニヒラタムシとエゾベニヒラタムシ。
ベニヒラタムシは関東平地でも見かけるが、エゾベニヒラタムシはやや山地性で、いるところといないところが見られる。
両種とも、最近まで撮影の機会がなかったが、今年の秋以降、秋田県でベニヒラタムシ。
富士山麓でエゾベニヒラタムシを撮影出来たので、画像を掲載しておきます。
ベニヒラタムシの特徴として、保育社の甲虫図鑑の3巻を見ると、
触角の第3節は第2節の2倍よりも長い。
前胸背板側縁は弧状で、中央付近で最大幅。
上翅は光沢があり、強く密に点刻される、とある。
エゾベニヒラタムシはというと、
現地では撮影出来なかったので、後日別の場所で撮影。
同図鑑の記述では、
触角第3節は第2節の2倍よりも短い。
前胸背板側縁はは後方に狭まり、前縁付近で最大幅。
上翅はロウ状物に覆われて光沢がなく、点刻は目立たない。
どちらの種類も、触角の第3節は結構長く、倍率の高いルーペがないと、2節と3節の長さは分かりづらい。
ベニヒラタムシでも、上翅の光沢が鈍いものがあるので、それとの違いは、上翅の点刻が強いか、殆ど目立たなくなっているかで見分けるのが良さそうだ。
エゾベニヒラタムシは、写真ではかなり赤っぽく写っているが、野外で見ると、ややオレンジ色を帯びて見えることが多い。
同じ場所で、両種が同時に見られることは少なく、どちらかに偏ることが多いように思う。
一般的には、ベニヒラタムシのほうが良く見つかる。
ヒラタムシ科
ベニヒラタムシ Cucujus coccinatus Lewis,1881
国内分布:北海道・本州・四国・九州
エゾベニヒラタムシ Cucujus opacus Lewis,1888
国内分布:北海道・本州・四国・九州