今年バリ島に滞在したおりに撮影した写真の中に、ナガサキアゲハと思われる幼虫の写真が見つかったので、成虫の画像と合わせて紹介します。
ウブドで撮影、滞在したホテルの庭先に植えてあった、ミカンの梢近くに産卵する♀。
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ランタナの花で吸蜜する♂、これもトヤブンカ村で撮影。
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2枚ともウブドで撮影した♀、後翅の中室まで白化した個体。
トヤブンカ村で撮影した♀、ウブドで撮影したものと比べると、後翅の付け根が黒くなっている。
トヤブンカ村に滞在した、宿の庭先に植えてあったミカン類に付いていた幼虫。
バリ島の♀は非常に変異が大きく、日本産のものに近いタイプから、周辺部をのぞいてほとんど全体が白化するものまで見られる。
ごく稀に♀の有尾型も現れる。
バリ島では個体数はそこそこ多いものの、飛翔中のものを見かけることが多いので撮影機会は限られてしまう。
いろいろ花は咲いているが、蝶の集まる花は余り多くはない。
産卵シーンはこれだけしか見ていない。
バトゥールのトヤブンカ村で撮影、パゴダフラワー(リュウセンカ)の花で吸蜜する♂。
クサギ属に含まれる植物のようで、アゲハ類がよく集まっている。
民家の庭先の植栽されたもの。
いろいろな花に来るようだが、赤味がかった色を特に好む傾向がある。
♀は、たまたま飛んでいるのを見かけることが多く、♂と比べると出会う機会が少ない。
下の写真は、ホテルの庭先で見かけたもの。
飛んできて、偶然に草の葉にとまった。
数枚撮影した後に飛び去った。
ナガサキアゲハの幼虫と確定出来ないが、日本産の画像と比べると比較的よく似ている。
この木には、アゲハ類の終令幼虫も付いていたが、そちらは日本産のモンキアゲハの幼虫に似ていたので、別の種類かと思っている。
種名はわからないが、モンキアゲハ類も少ないながら見られる。
ナガサキアゲハ Papilio memnon Linnaeus, 1758
分布:ほぼ関東以西の本州(記録は福島県まである)・四国・九州・南西諸島
分布(国外):台湾・中国(中南部)-インド北部・ニコバル・インドシナ・マレー半島-フロレス諸島・ボルネオ・ジャワ
食草:ミカン科の植物
日本国内では、近年、分布域の北上傾向が見られるが、東日本で見られる個体の遺伝子組成が、西日本のものと異なるとの説もあり、単純に温暖化のための北上とは言えない可能性も指摘されている。
東南アジアからインドにかけての、分布域の周辺に、局地的にごく近縁の別種、チモール島に分布するチモールアゲハ、スリランカのテンジクアゲハなどが分布する。