ムチャルは地下に住む、暗闇を支配するブタ・カロを鎮める儀礼だという。
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王宮前のムチャルは、2人のプタンダによって執り行われる。
澄んだ鈴の音が、響き渡る。
儀式の進行と平行して、トペンとワヤンの奉納が行われる。
2番目に演じられるトペン・トゥア、老いた将軍を表しているという。
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トペン・ボンドレス、顔の三分の一を覆い隠す面を付けて演じられる。
儀式は様々な要素が、平行して進行して行く。
プタンダの後方に作られた、ワヤン・クリ(影絵芝居)の舞台。
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最後の2枚はトペン・シダカルヨ、儀式の一番最後に演じられる演目で、非常に儀式的な要素が強く感じられる。
いろいろな区切りの時期に行われるようだが、ニュピ前日にウブド王宮前の、ラヤ通りとスウェタ通り・モンキーフォレスト通りの交叉する、十字路で行われたものを見に行った。
1枚目の写真は、ブッダ派に属するプタンダで、非常に数が少ないという。
トペンは通常、1人で行われることが多いが、今年のムチャルでは3人で演じられていた。
昔、老人になるまで生きる人たちが少なかった時代には、長寿そのものが神聖視されたのではないだろうか。
日本の能の翁の面と同様に、長寿を言祝ぐという意味合いがあるように思われる。
庶民を表す面で、内容も日常の話題からとられているようだ。
この日は、3人の掛け合いで演じられた。
会場ではプマンク(平民出身の僧)の指示によって、聖水による浄めの儀式が進行する。
通常は白い幕を張った後ろで行われ、照明によって影絵が映し出されるが、昼間の上演では幕は使用されず、直接人形が見える状態で演じられる。
プタンダの儀式が終了すると同時に、この演目やワヤンも終了する。
聖水や米粒・中国の古銭などを、東西南北の四方に振りまいて踊り納める。
トペン(仮面)舞踏のうちで、最も困難な演目で、演じられる舞踏家の数は少ないという。
次回は、ニュピ前日に見たオゴオゴを紹介します。