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Channel: TAMIの気まぐれ通信
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ロシア連邦のインフレ時代の加刷切手:マリ・エル共和国

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1990年代の前半、ロシア連邦を構成する自治体ごとに、ロシア発行の切手を台切手として、昆虫などの図案を加刷した、料額改定の加刷切手が多数作られた。

昆虫を図案としたものが一番多そうだが、他に汽車や動物、地図・音楽家などを加刷したものもあるようだ。

台切手は小型の通常切手で、多くの場合田型を切手1枚分として加刷されている。

これについては、スコットなどのカタログにも記載がなく、加刷の背景などもはっきりしないが、一部の自治体では年号の入った加刷を施しているものもあり、それによると1992年から1994年にかけて製作されたものと思われる。

ごく少数の実逓便もあるらしいが、まだ目にする機会は持っていない。
郵趣的なカバーは、かなり作られているようで、こちらは何通か手に入れることができた。

郵趣カバーと思われるものでも、裏面に到着印が押されているので、実際に切手としても通用したものらしいが、もとの販売目的は、コレクターズ・アイテムとして販売することを目的にしたものと思われる。

ここでは、マリ・エル共和国のシリーズを紹介する。

国名:マリ・エル共和国 Republic of Mali-El
通貨単位:1P(ルーブル)=100k(カペイカ)
シリーズ構成:単片(台切手は田型)25種、図案5種・台切手5種
発行年月日:1992-1994年(詳細は不明)

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タテハチョウ科:イチモンジジャノメ属 Aulocera  sp.

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タテハチョウ科:オオイチモンジジャノメ Kanetisa  circe  Fabricius,1775

イメージ 4

イメージ 5
タテハチョウ科:ジャノメチョウ亜科 Satyrinae  sp.

この場合は4カペイカの切手4枚に、500ループリの額面の切手1枚を加刷している。
3,125倍の料金になる。

イメージ 6
郵趣的に作成されたと思われるカバー。
マリ・エル共和国の首都である、ヨシュカル・オラ局から1995年4月2日に差し出されたもの。

イメージ 7

イメージ 8
裏面にクリミア半島の都市、リバディアの到着印が押されている。
いちおう、実逓便としての体裁は整っているが、郵趣便だろうと思われる。
切手として使用することが可能だったということは言えそうだが。

市場に流通しているものは、すべて未使用の5枚横連刷のもので、使用済の単片は見たことはない。
オーダー・キャンセルも見たことはないので、あるとしてもごく少数だろうと思っている。

このシリーズについては、Webで検索しても、ほとんどヒットしてこない。
カバーの消印は1995年に集中しているので、この年に何人かの郵趣家によって、まとめて作られたもののように思っている。

最後にこのシリーズの構成を、画像で紹介しておきたい。

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横に5種類の図案を連刷し、台切手も5種類あるので、合計で25種となる。
多くの場合は左右に耳紙がついた状態のものが多い。

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